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違法の戦争、合法の戦争 の商品レビュー

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2017/08/14

武力行使禁止原則の下で、実際には行われている武力行使をどうとらえるか、ユス・アド・ベルムとユス・イン・ベロをどうかんがえるべきか(正当側はユス・イン・ベロを選択的に適用してよいか、ユス・アド・ベルム偏重の結果として武力行使の態様はどうなっていくか、など)など、「戦争」を国際法で論...

武力行使禁止原則の下で、実際には行われている武力行使をどうとらえるか、ユス・アド・ベルムとユス・イン・ベロをどうかんがえるべきか(正当側はユス・イン・ベロを選択的に適用してよいか、ユス・アド・ベルム偏重の結果として武力行使の態様はどうなっていくか、など)など、「戦争」を国際法で論じているという点では非常に面白かった。 武力紛争法は素人なので、ユス・アド・ベルム?ユス・イン・ベロ??って感じで、内容的にも個別に言いたいことは何となくわかっても、全体通してどういう主張・考えなのってなると、いまいち理解しきれていない。再読の要ありと認む。

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2011/08/16

世界政府論に人々が引き付けられたのは、何よりも大戦への恐怖からである。 1990年にイラクがクウェートに侵攻したのも、朝鮮と同じく、イラクの考えるところの国家が分断された状態を解消するためである。 国際機構は、戦争の制限、禁止をはじめ、一艇の目的の元に設立され、諸国はその目的の実...

世界政府論に人々が引き付けられたのは、何よりも大戦への恐怖からである。 1990年にイラクがクウェートに侵攻したのも、朝鮮と同じく、イラクの考えるところの国家が分断された状態を解消するためである。 国際機構は、戦争の制限、禁止をはじめ、一艇の目的の元に設立され、諸国はその目的の実現に努めるように約束して、その加盟国となる。

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2009/10/07

国際法を絡めながら憲法9条や現代におけるテロ行為、国際連合憲章について論じている。元法学部生としてはとても興味深かったが、この文章を読むのになかなか苦労した。小段落ごとのテーマに沿った内容はだいたい理解できるが文章全体の背後に潜んでいる真の主題をうまく汲み取ることができなかった。...

国際法を絡めながら憲法9条や現代におけるテロ行為、国際連合憲章について論じている。元法学部生としてはとても興味深かったが、この文章を読むのになかなか苦労した。小段落ごとのテーマに沿った内容はだいたい理解できるが文章全体の背後に潜んでいる真の主題をうまく汲み取ることができなかった。また複読します。

Posted byブクログ

2009/10/04

 筒井先生の書かれた本。国際社会における国際法と公権力の議論は同領域における主要なテーマでもある。  武力行使は主要な強制力行使の手段であり、この観点から公権力を考えることが重要であるのは言うまでもない。 [感想]    見方が偏っているかもしれない。確かに安保理は国際社会...

 筒井先生の書かれた本。国際社会における国際法と公権力の議論は同領域における主要なテーマでもある。  武力行使は主要な強制力行使の手段であり、この観点から公権力を考えることが重要であるのは言うまでもない。 [感想]    見方が偏っているかもしれない。確かに安保理は国際社会において特別な地位にあり、それが決定する強制行動はあるいみ公権力の現れであるとも言える。しかしながら、現段階でははっきりと安保理による強制行動が公権力の発動とは言いがたい。現象を捉えれば、そう見えるものの、いまだに国際法の解釈は各国にゆだねられており、自己救済も完全に否定されているわけではない。  著者は同書を大衆向けとしているものの、「戦争」という用語を自衛権、復仇、侵略戦争およびその他の武力紛争を含む概念として用いており、合法な戦争、違法な戦争という単純な構造を提示している。  しかしながら、違法ないしは合法な武力行使と表現したほうがより理解しやすいと私は感じる。なぜなら、戦争という言葉には政治的なニュアンスが含まれるように思われるからだ。合法違法を論じるのであれば、政治的ニュアンスを廃した、現象としての”武力行使”という言葉を用いた方が誤解を招きにくいと思う。  ないしは、序章にて”戦争”という用語についての分析ないしは定義づけを行うべきであったと思う。  大衆書であることは理解できるが、憲法や国連憲章にも武力行使という用語が用いられていることからも、同語を用いたほうがよりすっきりすると思う。また、国際法になじみのない日本人にとってもそのほうが啓蒙という意味においてはよいと思う。  最後に大衆書であることは理解を示すが、僕にとってはあまりおもしろいものではなかった。これは著者もあとがきで書いているとおりである。まったく国際法を学んでいないものには良い本だといえよう。

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