ぱちもん の商品レビュー
大阪人なら馴染みのある言葉“ぱちもん”。「偽物」とか「まがいもの」の意味で、本作はうさんくさくて到底信頼できない探偵たちと、運悪く彼らに関わってしまった人たちの物語。6つの短編から成りますが、完全に独立した話ではなく、前の章で脇役だった人が次の章では主人公という形。 登場する探...
大阪人なら馴染みのある言葉“ぱちもん”。「偽物」とか「まがいもの」の意味で、本作はうさんくさくて到底信頼できない探偵たちと、運悪く彼らに関わってしまった人たちの物語。6つの短編から成りますが、完全に独立した話ではなく、前の章で脇役だった人が次の章では主人公という形。 登場する探偵に善人はいません。調査費の水増し請求や調査結果の捏造なんて序の口で、依頼者とターゲットのどちらがより多く金を取れそうかを考えて脅迫なんてことも。しっぺ返しを喰らうのは当たり前で、後悔してもどうにもならず。同著者の『どろ』は、隣同士で嫌がらせの応酬が始まり、どんどんエスカレートして最後にはお縄頂戴という話でした。それに比べればいくぶん手ぬるいですが、ハッピーエンドは程遠く。 そんななか、唯一なごむのは「この悔しさ」という章。あくどい探偵が運転する車に撥ねられて負傷した女性と、同じ探偵から唖然とする提案を受けた男性が出会う物語。義足の男の子が公園で遊ぶシーンに涙。ほかの章とは異なる展開でほろりとします。 ディープな大阪の地名が頻発するので、大阪人にはお薦め。しかし皆がこんなに柄が悪いわけではありません。(^^;
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えぐいものもあったけど、あったかいものもあって少しじんときた。 つながりがあるようでなかったり、投げられていた疑問があとで解けたりと、 連作の醍醐味は満点。 読んでよかった、と思える秀作。
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「それ、ぱちもんちゃう?」こういう大阪弁を聞いたことがある。直訳すると「胡散臭い、うそっぱち、まがいもの」というようなことだろうか。主人公は探偵・・しかし、依頼者に応じていかようにでも請求額を変えてしまうといういい加減な仕事内容。しかし、主人公は人情があり、どこか憎めないのである...
「それ、ぱちもんちゃう?」こういう大阪弁を聞いたことがある。直訳すると「胡散臭い、うそっぱち、まがいもの」というようなことだろうか。主人公は探偵・・しかし、依頼者に応じていかようにでも請求額を変えてしまうといういい加減な仕事内容。しかし、主人公は人情があり、どこか憎めないのである・・。ただ、この本を読むと、私立探偵には怖くて何も頼めないなあ・・と一般人なら不安を持ってしまうかもしれない(笑)
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