抗うつ薬の功罪 の商品レビュー
北米を中心に巨万の富を築き上げるプロザックとSSRIの誕生、臨床、販売、そしてその患者への影響の歴史を、現場で長らく見てきた著者のしぶとく複雑な記録の数々と共に辿っていく。 製薬業界のカネ主義は想像以上でした。 臨床試験を通過したと科学的なエビデンスを標榜するものの、その内部を分...
北米を中心に巨万の富を築き上げるプロザックとSSRIの誕生、臨床、販売、そしてその患者への影響の歴史を、現場で長らく見てきた著者のしぶとく複雑な記録の数々と共に辿っていく。 製薬業界のカネ主義は想像以上でした。 臨床試験を通過したと科学的なエビデンスを標榜するものの、その内部を分析するとボロが沢山出てくる。 日本人はうつ病と診断されるべき人が多すぎるイメージだけど、海外と違って心理学や精神分析が一般に幅広く浸透していないからそこら辺の兼ね合いはどうなんだろう。 資料的な価値あり。
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次の抗うつ薬をだすために、以前の抗うつ薬をわざと貶めたり、あるいは、検査結果をいいものに書き換えたり。新しい薬の販売というのは、単に新しい効能のある薬の発見という単純なものではない、製薬業界の在り方(望むと望まるとそうならざるをえない社会の構造)を見事に書き出している。
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論文投稿の凪ぎに読書の虫が目覚めたらしく最近は乱読気味。この本も例によって図書館で見かけて手に取った。個人的に鬱病には以前から関心がある。以前読んだ「真昼の悪魔」(アンドリューソロモン著)は鬱病患者の視点からの本で読んでいて非常に苦しい本であったが、この"LET THE...
論文投稿の凪ぎに読書の虫が目覚めたらしく最近は乱読気味。この本も例によって図書館で見かけて手に取った。個人的に鬱病には以前から関心がある。以前読んだ「真昼の悪魔」(アンドリューソロモン著)は鬱病患者の視点からの本で読んでいて非常に苦しい本であったが、この"LET THEM EAT PROZAC"は、抗うつ薬の開発と販売の内幕を、薬理学者が綴ったものであり、こちらも驚きとショックの連続の本であった。
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SSRIをめぐるドキュメンタリー。じっさいにゾロフト(ジェイゾロフト)を飲んでいる私にはまったく身近で、興味深い話題。そう、問題は医者が抗うつ薬を飲んだことがないということだ。 そして、私の直感では、「セロトニン仮説」は間違っている。そしてSSRIには、「うつの解消」とは反対方向...
SSRIをめぐるドキュメンタリー。じっさいにゾロフト(ジェイゾロフト)を飲んでいる私にはまったく身近で、興味深い話題。そう、問題は医者が抗うつ薬を飲んだことがないということだ。 そして、私の直感では、「セロトニン仮説」は間違っている。そしてSSRIには、「うつの解消」とは反対方向に働く場合と、依存性が、確かにある。このことを私はいくらでも証言できる。
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プロザックはどうも日本では発売されないみたいだが、本書にも何度も登場するパキシル等のSSRIはたくさん日本でも使われている。製薬企業の暗部を書いた書であるが、同時にうつ病治療の難しさも感じた。結局、薬で治せるのは限界があり、プラセボと比較しても優位差がつかない事が多く、おまけに副...
プロザックはどうも日本では発売されないみたいだが、本書にも何度も登場するパキシル等のSSRIはたくさん日本でも使われている。製薬企業の暗部を書いた書であるが、同時にうつ病治療の難しさも感じた。結局、薬で治せるのは限界があり、プラセボと比較しても優位差がつかない事が多く、おまけに副作用で自殺者まで増えてしまう。プラセボでも効いてしまうというのが、心の病だからなのか?
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