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文芸漫談 の商品レビュー

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14件のお客様レビュー

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2013/11/06

漫談という形式で文学を語る。この形式だから、整理されていないまだ理論化されていない思いが文字として固着される。「無意識は他者だと思って良い」とか「のでってのが物語なのでもういやだ。」とか。とっても素晴らしい本でした。続編も読んでみよう。

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2013/10/13

文庫だと『小説の聖典(バイブル) -漫談で読む文学入門-』というタイトルに変わっていますが、個人的には旧題のほうが思わず手に取りたくなるタイトルで好きです。 小説家奥泉光といとうせいこうがボケ・ツッコミに分かれて漫談形式で文学について語るという本(実際に人前でおこなった漫談を...

文庫だと『小説の聖典(バイブル) -漫談で読む文学入門-』というタイトルに変わっていますが、個人的には旧題のほうが思わず手に取りたくなるタイトルで好きです。 小説家奥泉光といとうせいこうがボケ・ツッコミに分かれて漫談形式で文学について語るという本(実際に人前でおこなった漫談をもとに構成)。文芸評論家の渡辺直己が二人のやり取りに対してさらなるツッコミをいれるような形で、注釈を加える構造になっています。 漫談という看板を掲げているだけあって、笑えておもしろおかしくすらすら読めます。その実、話している内容は非常に高度。立ち止まって考えだすと、考え込んでしまってページがすすみません。でも、そうやって考えることがとても楽しい。笑いながら勢いで読んで楽しんで、そのあとじっくり読んで楽しむという二重の楽しみを味わえる本です。 「物語」と「小説」の違いや、「ギャグ」と「ユーモア」と「イロニー」の関係性など、うなずけるところ多々あり。 小説を読んだり書いたりするときの基礎となるような本で、まさに文学入門。

Posted byブクログ

2013/07/03

 ワカンナイ。  他のレビュアーはみんな比較的面白がって読んでいるけど、何がどうわかったのか聞いてまわりたい気分である。興味のある分野だけに、特に。  「漫談」ではあるけど。「漫談」なんだけど。  ただ、やっていることがわからない。その「わからなさ」については追々書いてい...

 ワカンナイ。  他のレビュアーはみんな比較的面白がって読んでいるけど、何がどうわかったのか聞いてまわりたい気分である。興味のある分野だけに、特に。  「漫談」ではあるけど。「漫談」なんだけど。  ただ、やっていることがわからない。その「わからなさ」については追々書いていくとして。文章を書いたり読んだりすることには(学生期も含め)もう15年は携わっている身としては、心を折られる思いでした。  「文学入門」ではないなと思った。  「文学入門」にしては、前提として要求される知識が大きいぜ、と思った。  もう負け気分で書いているので非常に僻みっぽくなりますが。  あえて言うならば、いわゆる今の文学と、実世間の間に断絶があるとすれば、これが「文学入門」だからなんじゃあないかと思うのだった。まだこの本の中で「国辱」とされていた『テクストを遠く離れて』のほうがわけがわかった。「云っていることがわかる」という意味においては、であります。  じゃあ、ここにある一種の「断絶」って、単に読解力や知識量、アカデミックな素質だけの問題なんだろうか。  そうかもしれないが、そうでもない気がする。  この断絶を乗り越える方法が無いものか、ずっと首をひねっている。

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2013/02/04

軽い文体(・・・漫談だから当然だけど)なのに、内容は深いかもしれない。 「言葉は外からやってくる」とか、「破壊してからの再生」とか、「ねじれ」。 外国文学では、詩が核となっているけど、日本ではそれがないので純文学がある。 漫談ってよくわからないけど、とても楽しく読めた。 読ん...

軽い文体(・・・漫談だから当然だけど)なのに、内容は深いかもしれない。 「言葉は外からやってくる」とか、「破壊してからの再生」とか、「ねじれ」。 外国文学では、詩が核となっているけど、日本ではそれがないので純文学がある。 漫談ってよくわからないけど、とても楽しく読めた。 読んでよかった、と思う本。

Posted byブクログ

2012/07/01

この本を読んで、小説が楽しく読めるようになるか、または書けるようになるか、は全然わからない。けれども、この人達の会話は面白い。イロニーとか、世界を言葉で捉えることの難しさとか、難しい語り口で読者を煙に巻こうと思えば、巻けそうな題材を軽妙なやりとりで語り尽くす。でも、この人達のよう...

この本を読んで、小説が楽しく読めるようになるか、または書けるようになるか、は全然わからない。けれども、この人達の会話は面白い。イロニーとか、世界を言葉で捉えることの難しさとか、難しい語り口で読者を煙に巻こうと思えば、巻けそうな題材を軽妙なやりとりで語り尽くす。でも、この人達のように小説を楽しんで読めるようになれるかは、やっぱり疑問。この人達だからこそ、みたいな所が大きいんじゃないかしら。でも、新しい視点が得られる感じがして、この本自体は楽しい。

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2012/06/05

読みはじめたときは、「どんなテンポで喋つてたんだらう」といふことが気になつて、なかなか進まなかつたが、すぐ慣れたのだらう、あつといふ間に読み終つてゐた。 You say you wanna revolution? ジェイぢやないんだから、といふつつこみはさておき、「世界を変へたい...

読みはじめたときは、「どんなテンポで喋つてたんだらう」といふことが気になつて、なかなか進まなかつたが、すぐ慣れたのだらう、あつといふ間に読み終つてゐた。 You say you wanna revolution? ジェイぢやないんだから、といふつつこみはさておき、「世界を変へたい」といふ気持ちはどの世界でも重要なのかもしれない。世の中はいい方向に向かつてゐる、と思ふ気持ちも。

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2011/12/21

漫談、というものがよくわからず、タイトルにとまどいましたが、どうやら演者が立ちながら世間話的なトークを行う形式のものを言うそうです。 漫談士として登場するのは、芥川賞受賞作家の奥泉光氏と、クリエイターのいとうせいこう氏。 二人とも、文学がなんたるかを知っている、エキスパートでは...

漫談、というものがよくわからず、タイトルにとまどいましたが、どうやら演者が立ちながら世間話的なトークを行う形式のものを言うそうです。 漫談士として登場するのは、芥川賞受賞作家の奥泉光氏と、クリエイターのいとうせいこう氏。 二人とも、文学がなんたるかを知っている、エキスパートではありますが、それをバカバカしく下らないトーンにのせて面白おかしく話して見せるのも、これまた一種の才能。 二人の息のあったノリツッコミの掛け合いが小気味よく、ライブのテンポのよさが楽しくて、すらすら読んでいけますが、難しい構造論的な話になると、わかるようでよくわからなくなってしまいます。 二人には共通認識で分かっている事柄でも、私にはぐっと難解で、噛み砕いて教えてくれていても、その対象事項に関する前後関係なども理解していないと、把握しづらい文芸潮流がいくつも出てきます。 二人の会話をサクサク追ってはいけるものの、内容理解の点では脱落しそうになりました。 あまりに複雑な事項に差し掛かると、彼ら自身が「この問題はあまり突っ込むと面倒なことになる」とか「あまり深入りしないで先へ進みましょう」などと言って、話題を変えたりします。 難解さを避けるためだとは思いますが、話題が中途半端になり、もやもやすることもありました。 テンポに載せると、詳細な説明はしにくくなるのでしょうけれど、話が中途半端で変わったりしないよう、もうすこし簡単な内容を採り上げてもよかったのではとも思います。 ただ、ニッチでマニアックな事項にこそ、専門家二人の独自の把握力が発揮されるものなので、一般的すぎる話題に終始すると、刺激のない内容になってしまうのでしょう。 上記のような難しすぎる箇所はさほど多くなく、理解できる話題においては、すこぶるおもしろい内容でした。 二人のほがらかさと明るさ、トークを自分たちも楽しんでいる様子が前面に出ています。 奥泉氏がボケ、いとう氏がツッコミ担当ですが、奥泉氏も相当変わっていて、常に蝶ネクタイ姿だということが文面からわかります。 南仏での作家紹介イベントの時に、自分のブースでフルートを吹いていたという話を聞いて、(そんな作家がいるとは)と愉快になりました。 その後も、ちょくちょくフルートネタは登場します。実際プロ並みの腕前だとのこと。 「最近の私小説的なもので、部屋のシーンで必ず登場人物にマグカップを持たせる点が嫌だ」というのは理解できますが、「鵜飼いの鵜が嫌い」などという謎の発言もあり、独特の感性が披露されていました。 二人の文学素養の深さには驚きます。 折口信夫がゲイだったというのは衝撃でした。 また、セカチューがタイトルをほかの作品から引用したという話は漠然と知っていましたが、正確には「世界の中心で愛を叫んだ獣」という短編があり、そのタイトルを引用したアニメが作られ、さらにそのタイトルをほぼ使用したものだということも知りました。 タイトル勝ちしたような作品ですが、あのはっとするタイトルは、オリジナルではなかったのは残念です。 そういえば著者がつけたタイトルは『恋するソクラテス』でしたね。 また、ミルンの『くまのプーさん』には、父親と子供だけ登場し、母親不在の話だということも、子供の頃読んだ折には気がつかなかった点でした。 さらに、いとう氏と親しいみうらじゅん氏の「ひとは"私探し"ではなく"私なくし"のためにこそ旅に出る」という言葉が紹介され、(名言だ)と思いました。 息があった、いいコンビの二人。 ほかにもこの二人による漫談集が出ているようなので、読んでみようと思います。

Posted byブクログ

2011/06/10

純文学とそれ以外の文学を分ける一線(もし分ける必要があるのならだけれど)、それは自らが属するジャンルに関する自己言及とその不可能性への思慮の有無だろう。文学は、人間の誕生とともに発生し、本の売れ行きに変動はあるかもしれないが、人の営みとしては一向に進化せず、かといって退化もせず、...

純文学とそれ以外の文学を分ける一線(もし分ける必要があるのならだけれど)、それは自らが属するジャンルに関する自己言及とその不可能性への思慮の有無だろう。文学は、人間の誕生とともに発生し、本の売れ行きに変動はあるかもしれないが、人の営みとしては一向に進化せず、かといって退化もせず、人間の誕生という瞬間的な皮膜に常に立ち戻る可能性を秘めている。一つ一つの小説に言及しながら、彼らが語っているのは、紛れもなく文学であり、その語り口は軽妙にして諧謔にあふれている。芸として見事。

Posted byブクログ

2011/03/02

楽しく読めて、そして楽しく勉強になりもうした。 ここから膨らませなくてはなりません。 それは自分でシマス。 私もアホな読解者になっているような気がします。 育て、自分。

Posted byブクログ

2010/06/03

この人たち、どれだけの本を読んでるんだろう。なんでこんなに頭の回転が速いんだろう。今もライブやってるのかな。生で聞いたらもっと楽しそう。

Posted byブクログ