wee a wu の商品レビュー

三屋智子(著者)

2010/07/15

カナダ西海岸の無人島であるハンソン島に野生のオルカを研究している施設がある…。
あるTV番組でそのことを知りずっと気になっていた。

野生動物の写真を撮っている自分にとって、カナダ西海岸もいつかは必ずじっくり撮ってみたいと思っていた場所。
オルカにも凄く興味はあったもののまだまだほとんど知識がなかったので非常に勉強になった。

学術的というよりも、あまりにも人間的な彼女の視点で語られる文章に親しみを覚え、その活動のみならず生活、島の環境などを想起せずにはいられない。
そしてオルカの知性、社会性、家族という概念の強さにも驚かされる。
人の一生に物語があるように、オルカの一生にも物語があるのだなあと…あたりまえのことなのだが改めて感じることができた。

そして彼女のオルカへの愛情、情熱、葛藤、不安、喜び、ラボスタッフとの友情、信頼、そんなものまで垣間見えて読み心地が良い。
読み終えても何か温かいものが心に残る…そんな一冊。

また、たとえオルカに興味が無くても、『夢』や『目標』、『自分のやるべきこと』を探している人や、見付けているのに躊躇している人にはよい刺激になると思う。
情熱を注げるものに出会える喜び、打ち込めることの幸せを感じることができるだろう。