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廃墟に立つ 昭和自分史 の商品レビュー

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2014/07/20

色川大吉による、戦後四年間の「自分史」。復員して大学に通い直し卒業するまでと、志をを持って農村の教師として過ごした一年間を、当時の日記と現代からの補足で綴っています。 高らかな理想を掲げながら、終戦後の生活の苦しさや閉塞した農村といった現実との落差に動揺し、恋愛に煩悶し、独りよが...

色川大吉による、戦後四年間の「自分史」。復員して大学に通い直し卒業するまでと、志をを持って農村の教師として過ごした一年間を、当時の日記と現代からの補足で綴っています。 高らかな理想を掲げながら、終戦後の生活の苦しさや閉塞した農村といった現実との落差に動揺し、恋愛に煩悶し、独りよがりの行動を繰り返すさまは、現代から見れば愚かな若者に見える部分もある。けれど、そうやって多くの失敗を繰り返しながら、思考し行動し続けることをやめない姿勢は、若者ならではの長所でもあるのかもしれない。 みっともなくて恥ずかしくなったり馬鹿だなと思ったりしつつ読み続けてしまったのは、実際の人間なんてこんなもんだよな、と親近感を持てたからかもしれない。この若者の今後を見て見たいと思いました。

Posted byブクログ