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しずかに流れるみどりの川 の商品レビュー

4.1

10件のお客様レビュー

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2024/02/05

物語の視点、時間の流れ方が子供のそれそのものだった 純粋な心情を持つ子供の感性が伝わってくる作品だった 童話的な描写の冒頭から引き込まれるように物語は展開していった

Posted byブクログ

2015/11/12

行間で語る作家、ユベール・マンガレリ体験二作目。 次々と仕事をクビになった人生の落伍者と思われる父親。 その哀しみを感じながらも、少年の見る世界は あくまで美しく、静かで、神秘的。 その先にあるのは父親の過去のささやかな栄光である「みどりの川」 人は過去の輝きを心に抱きなが...

行間で語る作家、ユベール・マンガレリ体験二作目。 次々と仕事をクビになった人生の落伍者と思われる父親。 その哀しみを感じながらも、少年の見る世界は あくまで美しく、静かで、神秘的。 その先にあるのは父親の過去のささやかな栄光である「みどりの川」 人は過去の輝きを心に抱きながら、苦しい今を、 そしてその先の未来に向かい流れていく。 それはなさがら川のように。

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2013/02/24

主人公プリモは歩くのが好きだ。背の高い草むらやトンネルを一人で歩いていく。そして、家に帰れば父親がいる。 最初はそれを一つの幸福な物語のように描いている。 だが、次第に家族を取り巻く状況が露になり、彼らは真綿で首を絞められていくような困窮に陥っていく。 一概に財力が豊かさへ直結す...

主人公プリモは歩くのが好きだ。背の高い草むらやトンネルを一人で歩いていく。そして、家に帰れば父親がいる。 最初はそれを一つの幸福な物語のように描いている。 だが、次第に家族を取り巻く状況が露になり、彼らは真綿で首を絞められていくような困窮に陥っていく。 一概に財力が豊かさへ直結するわけではないが、その不足により貧しい暮らし向きになることは否定できない。 祈るだけでは何も変わらないが、祈らずにはいられない。 けれども、願いは聞き入れられない。 最後のシーンはそのやるせない憤懣が形になったようだ。 ゆっくりと終わりへ向かっていくような、恐れと安らかな諦め。 けれども、明日へは繋がっている。

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2012/01/25

装丁にひかれてなんとなく読んでみたけれど、たいへん胸をうたれた。子供目線の自然描写がすばらしい。近くにいるふっくらとした女性がこの男の子をぎゅーっと抱きしめてあげてほしい。

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2011/05/24

大胆な省略した文章、余白、説明しない文章がかえって、映像となって、心に映ります。 プリモと父親の会話に、切なさと温かく大切な何かが、私の中へと同時に流れ込んできました。

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2013/07/15

むかしむかしある日、神様は、ひろいひろい野原のまんなかにこの町とコンプレッサー工場をおかれた。それから何年も何十年もあとになって、父さんを商店の仕事に就かせるかわりに、ばらの花を咲かせた。そう、これが神様がなされたことのすべて──。 仕事も無く、電気さえ止められてしまう貧しさの...

むかしむかしある日、神様は、ひろいひろい野原のまんなかにこの町とコンプレッサー工場をおかれた。それから何年も何十年もあとになって、父さんを商店の仕事に就かせるかわりに、ばらの花を咲かせた。そう、これが神様がなされたことのすべて──。 仕事も無く、電気さえ止められてしまう貧しさの中で父と寄り添って生きる主人公プリモは、自分の背丈よりも高く生い茂る草むらにトンネルを作り、そこを歩きながらいろいろなことを考え、空想する。 育てたばらを売ってお金が入ったら、川の支流を買う。川に住みつく魚とせりだした岩山も。頑丈な木の橋の上から見える魚の影。父さんが捕まえる、青いマス。しずかに流れる、川底の水草に彩られたみどりの川。 ……幻の川べり。 幸福はまるで背の高い草の上で蒸発していく雨粒のよう。 そして不意におとずれる絶望。 少年のまわりにひろがる美しい世界と、傍らにある苦い現実。『おわりの雪』に続く、静けさと切なさに満ちた物語。

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2009/10/04

父と息子の貧しい暮らしが、少年の純粋な目を通して静かに淡々と語られます。 なにげない日々の中の、ささやかな喜びと密やかな哀しみ・・・ 寄り添うように生きる親子の健気さがしみじみ胸に沁みる、とても美しい小説でした。お勧めです。

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2009/10/04

題名のひらがなと漢字のバランスからしてすばらしい。とても、ではないけれど、なんだかぼんやりと沁みるようにかなしくてつらい。好き。

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2009/10/07

「ふしぎな草」が広がる原っぱの真ん中の小さな町。電気も止められてしまうような貧しさのなかで寄り添う父と子は、裏庭に自生する「つるばら」でひと稼ぎしようと夢みるが…。少年の回想による父子の物語。

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2009/10/04

私の涙腺がなぜ揺るんだかというと、プリモ少年から溢れる瑞々しい純粋さがあんまり綺麗で綺麗でとても目を開けていられなかったから。それに、緑の川の美しさにはこころを撫でられたからね。

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