裸 の商品レビュー
大道珠貴さんの処女作…
大道珠貴さんの処女作品集でなにか引っかかる作品
文庫OFF
九州のある街。叔母の営むスナックで従姉とともにアルバイトをする主人公。叔母は実の父親を寝取り、とにかく実家から出たいし、叔母のところからも離れたいが、離れられずに叔母の家に住み着き、病的に痩せている従姉と暮らしていく。 北九州の女の日常的な短編3篇。すべての作品で、虐待やいじめ...
九州のある街。叔母の営むスナックで従姉とともにアルバイトをする主人公。叔母は実の父親を寝取り、とにかく実家から出たいし、叔母のところからも離れたいが、離れられずに叔母の家に住み着き、病的に痩せている従姉と暮らしていく。 北九州の女の日常的な短編3篇。すべての作品で、虐待やいじめに耐えすぎて寛容になってしまったというやりきれなさを通り越して無の境地に入っている作品である。 なんかこの、中性を貫いてはいる(女性も男性も嫌いという感覚)が、ああこりゃ女性らしいなと思わせるストーリー展開に、「~した。~した。」と畳み込むように短く装飾のない文章で、ふとおっさん、いや、男性ぽさも感じさせる。その文章はリズム感や抑揚を感じづらいためたいそう読みづらい。 各作品の主人公は、何もかもに寛容になってしまって、何を言われてもされても特に感情の起伏がないため、それぞれの話を掘り下げるにしても難しく、虐待であるとか家族や友達に性的におもちゃにされるなど、予想されたような話になるので、そこに何かを感じることができなければ、なかなか感想も書きにくいという作品群である。 芥川賞的だが、かといって装飾されるような比喩表現もない。単純にそういう時代じゃないよなあとだけの後味である。この作家って以前にも読んだのではないかと思って検索したら、『しょっぱいドライブ』を読んでいた。レビューもだいたい同じ。合わん。
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表題作「裸」は、男に媚びない主人公と、男に媚びる伯母、腰巾着な従姉のお話。対比した性格や気持ち悪い関係性、男女を描かれている。 方言も相まってジメッとしたやりとりは心地悪かった。 個人的には「ゆううつな苺」の女子中学生の話の方が好きかも。
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芥川賞作家、大道珠貴のデビュー作。「裸」、2002.10発行、2005.5文庫。「裸」「スッポン」「ゆううつな苺」の3話が収録。素っ裸で陰毛を出して部屋をうろうろする伯母や祖父は登場するが、どこが面白いのかは3話ともよくわからなかった。ただ、九州弁の会話は楽しめました。
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『裸』は読みづらかった。「あたし」の言葉の連発はあまり好きになれない。『スッポン』は人物がよく描かれている。ここでは「わたし」だ。最後の『ゆううつな苺』が一番好きになれた。中学生が「私」で語っていた。「私」も母親もいい感じで絡んでいた。中学生の感受性もよく描かれている。
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九州弁がきつい。だらだら流れる平凡な日常の断片の羅列もだるかった。 だけど最後はしっかり締めてくれた。 「山は文鎮みたいにしっかり地面をおさえつけている」「窓から見える月へ恭しく頭を下げた。何でもします。できます。この脚でふんばれます」 勇気付けられた。
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文庫本のカバーは写真なんだ。 僕が手にしたのはハードカバーの方で、かわぐちみおによる装画が、本書に収められた三つの短編の雰囲気やテーストを見事に凝縮しているような気がします。 それはある少女を描いた非常にシンプルなイラストなんですが、19歳のホステス、各地を転々とする33歳の処...
文庫本のカバーは写真なんだ。 僕が手にしたのはハードカバーの方で、かわぐちみおによる装画が、本書に収められた三つの短編の雰囲気やテーストを見事に凝縮しているような気がします。 それはある少女を描いた非常にシンプルなイラストなんですが、19歳のホステス、各地を転々とする33歳の処女、はみ出してはいるがヤンキーにも成りきれない女子中学生、といったそれぞれの短編のヒロインに見事に重なるんですよ。 もちろん錯覚なんでしょうけど、本書を通じて三人のキャラクターを愛でながら、僕は愉悦の境地にありました。 著者の『しょっぱいドライ』や他の作品も読みましたが、デビュー作のこの短編集が一番好きです。九州の方言も程よくブレンドされ、少女を中心とした女たちの揺れる立ち位置を目で追いながら、軽くめまいを覚えるもまたいいです。 それにしても「ゆううつな苺」、誰か映画にしてくれないかな。
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博多弁いいw 大道珠貴はめちゃ肌に合う。当事者意識のない感、何ににも期待してない感が延々と。うまい具合に中二くさくなく。
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初恋なんかに煩わされてたあんとき、 その時のまさにその対象だったりしたあの女の子。 いつも一人で、 ふわっと浮かんだり沈んだりしていたあの女の子。 僕の一生懸命をどう見てたんだろうかってことが、 だいたいわかってきた。 わかってきたから、 いてもたってもい...
初恋なんかに煩わされてたあんとき、 その時のまさにその対象だったりしたあの女の子。 いつも一人で、 ふわっと浮かんだり沈んだりしていたあの女の子。 僕の一生懸命をどう見てたんだろうかってことが、 だいたいわかってきた。 わかってきたから、 いてもたってもいられない。 女の子の眼差しのホントウを知るには、 男というものは幼すぎる。 女の子だけではない。 二十歳のあの人もそう、 だろうし三十路のあの人もそう、 だろうしだろうし。
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芥川賞受賞の『しょっぱいドライブ』よりは 面白かったけど。 それ以上の感想が浮かばない。(苦笑)
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