復権 の商品レビュー
弱体化した西鉄で年間20勝ペースで、5年強で103勝を上げた悲運の大投手・池永正明の復権活動についてつづった一冊。 黒い霧事件で追放されたてから35年、結局2005年にようやく復権したのですが。 途中までは復権運動についての当たり障りのない記述で終わるのかと思いきや、最後に池永...
弱体化した西鉄で年間20勝ペースで、5年強で103勝を上げた悲運の大投手・池永正明の復権活動についてつづった一冊。 黒い霧事件で追放されたてから35年、結局2005年にようやく復権したのですが。 途中までは復権運動についての当たり障りのない記述で終わるのかと思いきや、最後に池永が八百長を持ちかけられた際に揺れる胸中を告白してるのが逆に真実味を増して共感できました。 池永の人間味溢れる素顔を知ってる著者だから書けたのかと。 読後感の良い一冊でした。
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昭和45年のプロ野球八百長疑惑、通称「黒い霧事件」で球界を永久追放された元西鉄ライオンズエース池永正明氏の復権運動組織「池永復権会」。その代表を務めた著者が「まかり間違っても、クロもしくは灰色のイメージそのままに、それが35年目にやっと許されたのだという見方をされて球界に復帰して...
昭和45年のプロ野球八百長疑惑、通称「黒い霧事件」で球界を永久追放された元西鉄ライオンズエース池永正明氏の復権運動組織「池永復権会」。その代表を務めた著者が「まかり間違っても、クロもしくは灰色のイメージそのままに、それが35年目にやっと許されたのだという見方をされて球界に復帰してほしくない(本文から引用)」という思いを込めて綴ったノンフィクション。本書を一読することで、永久追放という処分がいかに不当なものであったかということが明らかになると同時に、池永氏の人間性やコミッショナーを頂点とする球界の性質についても触れることができる。残念なのは、全体を通して極端に池永氏側に有利な内容・表現となってしまっており、結果として信憑性を落としてしまっていると感じる点。著者が復権活動の中心人物であることを考慮しても、「復権会の代表が素人ながら本を書いた」のではなく「プロの作家が、復権会の代表を務め、その内容をまとめた」のだから、もっと読者を納得させる構成・表現があったのではないかと思う。
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