タフの方舟(2) の商品レビュー
わお。「禍つ星」はただただおもしろがって読んでいればよかったけど、こちらはちょっと苦いですな。猫だけをパートナーにたった一人で、強大な力とともに宇宙を旅するタフ。いやあ、相当こわい存在です。こんな人に正論はかれてもなあ。トリー・ミューンのその後が読みたい!!
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どの話も楽しく読めた。 常に感情を表に出さないタフが感情らしきものを見せたシーンは、何かグッとくるものが。 これでタフの話は完結だが、もうちょっと読んでいたいと思わせられた。
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方舟とかテラフォーミングという巨大なギミックを使って問題解決を図り、でも結局はテクノロジーにつまずく人間を笑うようなオチが多かったのだが、急にまじめな展開の表題作。最後の方、二人の論理展開に刺激が少ないので、なんだか肩すかしを食ったような読後感。事前の対策が間に合わなくても食糧危...
方舟とかテラフォーミングという巨大なギミックを使って問題解決を図り、でも結局はテクノロジーにつまずく人間を笑うようなオチが多かったのだが、急にまじめな展開の表題作。最後の方、二人の論理展開に刺激が少ないので、なんだか肩すかしを食ったような読後感。事前の対策が間に合わなくても食糧危機が起きれば自然に人口が減るからいいのでは?SF版・笑ウせえるすまん」を期待しているとがっかりするかも。いや、「我が名はモーセ」のコミカルな掛け合いだけでも有り難がるのが吉なのかも? でもまあ1巻を読んで面白がっておくだけの方がよかったかな…
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2007.10.18。「鋼鉄ウィンド」三部作での人口問題はおもしろかった。ラストでのタフとトリー・ミューンの会話は熱い!タフは慇懃無礼でふてぶてしいけど、本当に気が長い。私ならブチ切れてる場面はたくさんある(笑) 人口制限しろよ!マジで!!
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●今回もまた、ス=ウスラムのポート・マスターことトリー・ミューンが大活躍。 タフが冷徹な合理と論理と絶大なパワーをもって、神の如く傍観しているとしたら、トリー・ミューンは人間ならではの弱さとしたたかさと強欲とを以って、彼に対抗しようとするのです。 そんな彼女が最後に下した重い結論...
●今回もまた、ス=ウスラムのポート・マスターことトリー・ミューンが大活躍。 タフが冷徹な合理と論理と絶大なパワーをもって、神の如く傍観しているとしたら、トリー・ミューンは人間ならではの弱さとしたたかさと強欲とを以って、彼に対抗しようとするのです。 そんな彼女が最後に下した重い結論とは? ●20年前に書かれたシリーズとは思えないハイグレードな斬れ味。推薦本。
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宇宙一あこぎな商人ハヴィランド・タフが前に注文に応じて生物の種子などを言葉たくみに売りつけた星を訪ねてみると、そこは大変な事態に… 女傑トリ・ミューンとの再会など、笑える展開もいっぱい。 作者は猫好きらしく、何度も愛猫が活躍するのも楽しいですね。
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超巨大宇宙船〈方舟〉号を操り惑星環境改造を売る宇宙商人タフのシリーズ完結編。 前巻では帯で宣伝しているほどタフが「あこぎな商人」でもなく一本、筋の通った好印象を受けたが この巻収録の「魔獣売ります」「わが名はモーセ」を読むとタフの計算高く冷酷な一面が強調されていて 作品もブ...
超巨大宇宙船〈方舟〉号を操り惑星環境改造を売る宇宙商人タフのシリーズ完結編。 前巻では帯で宣伝しているほどタフが「あこぎな商人」でもなく一本、筋の通った好印象を受けたが この巻収録の「魔獣売ります」「わが名はモーセ」を読むとタフの計算高く冷酷な一面が強調されていて 作品もブラックな味わいが濃くなっている。冒頭の「タフ再臨」は前巻の「パンと魚」後日譚としても 面白いエピソードで鉄火肌のポートマスター、トリー・ミューンが再登場。ここでの惑星ス=ウスラムの 人口問題は最終話、「天の果実」に持ち越し。無慈悲な決断を冷静に迫るタフと飽くまでも人間としての 倫理に拘り続けるミューンとの対決は重厚な迫力で一瞬、タフが人間らしい感情を見せる場面は忘れがたい。 全体を通してタフとトリー、対照的な2人が惹かれあっていくドラマが隠し味になっていて、これは たいへんハードボイルドな結末を迎える。連作なのに長編を読んだ重みを感じる構成の上手さもあり 余韻の残る物語となった。聖書を引用しているのも道理、これは「神」についての物語だったんだね。
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収録作品 ・『タフ再臨』Second Helpings あれから5年後、修理費の半金を持って、再びス=ウスラムにやってきたタフ。 トリー・ミューンはまだポートマスターの座にいた。 前回の方舟騒動は、トリーと海賊タフのロマンスとして映像化され、人気を博していた。 それによ...
収録作品 ・『タフ再臨』Second Helpings あれから5年後、修理費の半金を持って、再びス=ウスラムにやってきたタフ。 トリー・ミューンはまだポートマスターの座にいた。 前回の方舟騒動は、トリーと海賊タフのロマンスとして映像化され、人気を博していた。 それによって、失脚を免れていた。 しかし、人口問題は以前にも増して深刻。 食糧が増えたため、更に出生率が高まったのだ。 タフが次に考えた手は…… ・『魔獣売ります』A Beast for Norn 惑星ライロニカには12の貴族がおり、その領地の動物を調教し、 闘技場で戦わせる。その勝率によって、惑星に入ってくる富を分配しているのだ。 最下位の貴族に仕える調教師が、タフの元に魔獣を売ってくれとやって来る。 タフは六頭の鈷豹とそのエサと跳び鼠なるを用意する。 鈷豹は無敵を誇り、連戦連勝。 すると、今度最下位になった貴族が…… ・『モーゼ合戦』Call Him Moses あるレストランで襲われたタフ。 その暴漢の惑星は、モーゼと名乗る宗教者によって環境戦争を仕掛けられ、 文明が崩壊したという。 彼はタフがモーゼの仲間だと考えていたのだ。 不愉快な疑いを晴らすため、タフはその惑星に出向くことに。 ・『天の果実』Manna from heaven 更に5年後。残金を持って、ス=ウスラムにやってきたタフ。 トリー・ミューンは総相となっていた。 一部の特権階級のわがままにより、食糧問題はまるで解決しておらず、 ス=ウスラムは抜き差しならぬ状況になっており、 近隣惑星と戦争に突入するのは時間の問題。 ついに、タフが下した最後の方法は? 気に入ったのは『魔獣売ります』と『モーゼ合戦』 1巻のタフが、割といい人だったのに対して、この2作は阿漕な商人という彼が楽しめる。 どちらか1作と言われたら、 金にがめついのは『モーゼ合戦』の方だけど、 怪獣好きとしては『魔獣売ります』を挙げるかな。 最終話、『天の果実』はそれまでとうって変わって重い。 ラスト、トリー・ミューンの苦悩と決断が、非常に苦い物だけど、 それと同時に、今まで様々な星の環境を変えてきたタフの言葉もまた重い。 これでシリーズは全部らしいけど、また書いて欲しい。
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1、禍つ星 2、天の果実 読了 「氷と炎の歌」シリーズで私を魅了したマーティン様の連作短編集。1、2 合わせて7つの短編からなっています。 丁寧な言葉遣いと、裏も表もない行動、そのくせなんだか慇懃無礼で狡猾な印象を与えるタフが主人公。弱小宇宙商人だったタフは、もはや千年前に失...
1、禍つ星 2、天の果実 読了 「氷と炎の歌」シリーズで私を魅了したマーティン様の連作短編集。1、2 合わせて7つの短編からなっています。 丁寧な言葉遣いと、裏も表もない行動、そのくせなんだか慇懃無礼で狡猾な印象を与えるタフが主人公。弱小宇宙商人だったタフは、もはや千年前に失われたと思われた生物戦争用胚種船を手に入れ、飼い猫とともに宇宙を旅し・・・・ タフは自分のことを誠実でとってもいいやつだと信じてるんだけど、いつもいつも、一番いい目を見るのは、必ずタフ。決して自分に損な取引はしないし、適正価格と云いながら、それって弱味に付けこんでるんだろう?と思わず突っ込みたくなる、そのあこぎさ加減が実にたまりません。飼い猫を決して見捨てない、心意気も魅力的〜。 そしてこのタフと互角に立ち回るのは、たった一人、ス・ウスラム星のポート・マスター、トリー・ミューン。 7作のうち3作で彼女とタフとの、なんとも絶妙な力関係がワクワクさせてくれます。誰よりも有能で、機を見るに敏で、腹黒で、そのくせ、タフのたった一つのウイークポイントの猫を人質に取ったつもりで、いつしか可愛がってしまう彼女。いいわあ。 一作ごとがきちんと完結しており、しかもシリーズとしても起承転結が完成している、サービスたっぷりの連作集でした。ああ、面白かった! 7つの作品の中では、「魔獣売ります」にタフらしさが一番出てるかな。
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慇懃無礼なへらず口がうつりそう。へたな作者が書くとドタバタうるさくなりそうなシチュエーションもさらりと書かれてて、そこがたまんなく可笑しいのよね。
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