「名前」の漢字学 の商品レビュー
名前の由来は面白い。…
名前の由来は面白い。周りの人の名前をチェックすると暇つぶしにはなる。
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名付けに使える漢字について深く学べる。平成16年の人名用漢字大量追加に関わった著者が,戦後の漢字制限から人名用漢字登場への歴史的背景,大量追加の経緯について解説。 決して実用的ではないけど,単なる名付け本にはないいろんな事情が垣間見えて興味深い。長女が生れる前に読んでおきたか...
名付けに使える漢字について深く学べる。平成16年の人名用漢字大量追加に関わった著者が,戦後の漢字制限から人名用漢字登場への歴史的背景,大量追加の経緯について解説。 決して実用的ではないけど,単なる名付け本にはないいろんな事情が垣間見えて興味深い。長女が生れる前に読んでおきたかったな。漢字には前々から興味があって,この本に載ってる人名用漢字の歴史についてはだいたい知ってはいたんだけど,実際にどんな審議がなされたかなど知れたのは有意義。 随所にちりばめられている雑談風の漢字談義も面白い。奥さんの教え子に,東京オリンピックの年生れの「五輪男」くんていうのがいた,とか。読み方わかります?笑っちゃうんだけどw 人名用漢字の大量追加の裏には,「この漢字も使わせろ!」という親による裁判闘争があった。戸籍法では,「常用平易な文字」を名付けに使ってよいとしてるんだけど,実際の運用は法務省令による限定列挙にもとづく。そこで出生届不受理を不服とした親が,「琉」とか「曽」なんかも「常用平易」だ!と訴えたというわけ。それを最高裁も認めた。それでまた面白いのが,16年の追加では「常用平易」な漢字をなんでも人名用漢字に入れちゃおうという雰囲気が審議会でも強くて,到底名付けに使えないような「糞」とか「屍」とか「癌」とかいう字がパブコメ用の案に載っちゃったというところ。 著者は反対したらしいが,法律畑の委員なんかは,データベースの分析によって日本社会で多く使われ平易な漢字は,戸籍法でいう「常用平易」なものに他ならないのであって,これを密室の議論で恣意的に削ってしまうのはいかがなものかという意見だったそう。あれまあ。 でも結局ハブコメを受けてどうしようもない漢字は削られることに。大義名分を整えた格好をつけないと,データベースが選び出した「常用平易」な文字を委員の「個人的意見」で無体に削ってしまうことはできなかったというわけ。融通がきかないというかなんというかだけど,わかるなぁこういうの。 これから名付けとか考えている人には是非良んでおいてもらいたい本。でも本書の高評価は,僕が個人的に漢字とか興味あってバイアスかかった結果なのかもしれないので,読後の満足感は保証いたしかねます…。
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[ 内容 ] 名付けの漢字がこんなに変わりました―苺ちゃんや林檎ちゃん、蹴人くんが誕生した理由。 [ 目次 ] 第1章 暮らしの中の漢字(文字にかこまれる生活;漢字に規格がある;当用漢字の制定 ほか) 第2章 人名用漢字の変遷(人名用漢字のうつりかわり;人名用漢字はどのように決...
[ 内容 ] 名付けの漢字がこんなに変わりました―苺ちゃんや林檎ちゃん、蹴人くんが誕生した理由。 [ 目次 ] 第1章 暮らしの中の漢字(文字にかこまれる生活;漢字に規格がある;当用漢字の制定 ほか) 第2章 人名用漢字の変遷(人名用漢字のうつりかわり;人名用漢字はどのように決められるか) 第3章 新人名用漢字をめぐるはなし(新人名用漢字決定;新たに追加された漢字;新人名用漢字の印象 ほか) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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いわゆる「名付け本」でも「姓名判断」に関する本でもない。名前と漢字の関係と歴史について書かれた本。 漢検には興味がないけれど漢字が大好きな私は、尊敬する阿辻哲次先生の本というだけで必ず読んでしまうだが、その内容にがっかりさせられたことはない。とにかく、分かり易くて読みやすいのだ。...
いわゆる「名付け本」でも「姓名判断」に関する本でもない。名前と漢字の関係と歴史について書かれた本。 漢検には興味がないけれど漢字が大好きな私は、尊敬する阿辻哲次先生の本というだけで必ず読んでしまうだが、その内容にがっかりさせられたことはない。とにかく、分かり易くて読みやすいのだ。 阿辻哲次先生の著作の中では、ちょっと変わり種の本なのだが、人名用漢字の選定過程などの話もあって楽しく読めた。
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