混在するめぐみ の商品レビュー
帯に「豊饒な語り」とあるがそのとおりだ。摘み取り食べることを忘れてひとつひとつ世話した果実がびっしりと実っているような本だ。著者のおふたりは本当に多くのやりとりをしたのだろう。語りつくして絞り出したような文章が、内外の多くの著作を引きながら綴られている。 本書はジェンダーと宗...
帯に「豊饒な語り」とあるがそのとおりだ。摘み取り食べることを忘れてひとつひとつ世話した果実がびっしりと実っているような本だ。著者のおふたりは本当に多くのやりとりをしたのだろう。語りつくして絞り出したような文章が、内外の多くの著作を引きながら綴られている。 本書はジェンダーと宗教とポストコロニアル批判をトリロジー(三位一体)として表す試みとのことで、宗教にコミットしていないワタシも何らかの当事者性を自らの内に感じ、エンパワメントされた。が、そこに至るまでに多くの複雑なことがらを読み進める必要があり、それは決して簡単な作業ではなく、何日かかかって行なうことができた。とはいえ、第3,4章のそれぞれの著者によるケースワークは、複雑であっても重くても、先を先をと読み進められる力と勢いがあって、それが読者のワタシを支えてくれた。
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