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やわらかな遺伝子 の商品レビュー

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17件のお客様レビュー

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2012/05/18

人は生まれか育ちか?というテーマの本。著者の結論は、“生まれは育ちを通して”遺伝子は環境から情報を引き出ししなやかに自己改造していく装置であり、○○遺伝子があるから、そうなるとはいいきれないとするもの。より、環境に重きをおく主張。先祖から得た遺伝子の持ちながら生まれるが、おかれる...

人は生まれか育ちか?というテーマの本。著者の結論は、“生まれは育ちを通して”遺伝子は環境から情報を引き出ししなやかに自己改造していく装置であり、○○遺伝子があるから、そうなるとはいいきれないとするもの。より、環境に重きをおく主張。先祖から得た遺伝子の持ちながら生まれるが、おかれる環境から影響を得る。自分がどんな存在か学びながら、自分がありたいように行動をすれば、変化できるとする意味で希望的である。 一方で遺伝子の影響は受けるはずでそこは意識する必要はあるのではあるまいか。しかし、遺伝子というものから考えると親や、兄弟という存在を通してしか、実生活では考えられないので、限界がある気がしてしまう。結局、人間とは、そう簡単にわからない複雑な存在というのがいまのところのようだ。そして、この部分は明確に解明されない方がよい気はする。解明されるほど神に近づくのではなく、人としての可能性、救いがなくなるのではないだろうか?

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2012/03/20

プロローグ 十二人のひげづら男 第1章 動物たちの鑑 第2章 幾多の本能 第3章 語呂のいい便利な言葉 第4章 狂気と原因 第5章 第四の次元の遺伝子 第6章 形成期 第7章 学習 第8章 文化の難題 第9章 「遺伝子」の七つの意味 第10章 逆説的な教訓 エピローグ 麦わら人形

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2010/06/02

ヒトをヒトとして決定づけるものは何か?遺伝子なのか、環境なのか。100年以上に渡って繰り広げられた「生まれか育ちか」論争。生まれを支持する側は遺伝子のみが、育ちの側は環境のみが決定権を持つと主張してきた。しかし著者は、2項対立の構図は誤りだと指摘。人間の本性を知るには、双方が補い...

ヒトをヒトとして決定づけるものは何か?遺伝子なのか、環境なのか。100年以上に渡って繰り広げられた「生まれか育ちか」論争。生まれを支持する側は遺伝子のみが、育ちの側は環境のみが決定権を持つと主張してきた。しかし著者は、2項対立の構図は誤りだと指摘。人間の本性を知るには、双方が補いながら、補強し合いながらヒトを形作っていくとする「生まれは育ちを通して」という立場から見る必要があるとする。 「遺伝子は、育ち(環境)からヒントをもらうようにできている。事実を理解するには、こだわりを捨てて心を開かなければならない。遺伝子が人形使いとして行動の糸を引いていると見なすのではなく、遺伝子が人形として行動に操られている世界に入っていかなければならないのだ。そこでは、本能は学習に対立するものではなく、環境の影響はときに遺伝子の影響以上に不可逆で、生まれは育ちに合わせてデザインされている。こうした嘘のようなフレーズが、今科学で初めて実証されようとしている。ここで私は、ゲノムの奥深くに潜む意外な話を語り、ヒトの脳が『育ち』に合わせて作られているさまを明らかにしようと思う。言いたいのはこういうことだ。ゲノムの秘密が明かされるほど、遺伝子が経験の影響を受けやすく見えてくるのである」 このような著者の立場から、「生まれか育ちか」論争に影響を与えた12人の研究者の業績などを整理していく。笑うなどといった人間の普遍的特徴を明らかにしたダーウィン、「才能は血筋だ」と訴えたフランシス・ゴールトン、ヒトはほかの動物よりも多くの本能を持ち「本能を理性と対置するのは誤りだ」としたウィリアム・ジェームズ、不本意ながらもメンデルの遺伝の法則を公にする役割を担ったヒューゴー・ド・フリース、犬の唾液分泌の実験で条件反射を発見したパヴロフ、条件付けにより人格を自由自在に変えられるとしたジョン・ブローダス・ワトソン、精神病を特徴づけるのは個人の経験や経過だとしたクレペリンとフロイト、「人間の行動をもたらす原因は、個人の外部にある」と社会的現象の重要性を指摘したエミール・デュルケーム、イヌイットの生態調査などを通して「文化が人間の本性を形成している」としたフランツ・ボアツ、発達に段階があることを見出し「知能の発達に必要な心的構造は遺伝的に決定されるが、脳の発達のためには経験や社会的相互作用によるフィードバックが必要」と述べたジャン・ピアジェ、ガンのひなの行動から「刷り込み」という概念を打ち出したローレンツ。 未開の分野で重要な発見や概念の創出に貢献した、上記偉人らの功績をたたえる一方、それぞれの誤りを指摘。「ダーウィンやジェームスやゴールトンの唱えた性格の生得性を認め、ド・フリースが主張した遺伝の粒子性を認め、クレペリンやフロイトやローレンツのいう、幼少時の経験が精神の形成に対して果たす役割を認め、ピアジェが見出した発達段階の重要性を認め、パヴロフとワトソンが指摘した、大人の精神を作り変える学習の力を認め、ボアズとデュルケームが訴えた文化と社会の自律的な力を認めることもできたのではないか。これらすべてが同時に正しいこともありうる、と彼らは言えたかもしれない。学習は、学習する生得的な能力なしには生じ得ない。生得性は、経験なしには発現され得ない。ひとつの考えが正しいからといって、ほかの考えの誤りを明らかにしているわけではないのだ」といい、本書の中で紹介した実験は、「遺伝子がいわば感受性のかたまりで、生物に融通性を与える手段であり、まさしく経験のしもべであることを間違いなく示している。『生まれか育ちか』の時代は終わった。『生まれは育ちを通して』の時代よ、万歳!」と結ぶ。 時間や経験によって、発現やその抑制を繰り返す複雑な遺伝子のシステム。いつ、どこでどんな経験を与えると、どんなヒトが完成するのか ―。その答えが導きだせないからこそ、ヒト(や他の動植物)の神秘性は増し、多種多様な1人1人の人格をかけがえのないものとして受け止められるのだろう。同時に、人間そっくりロボットが完成する日はまだまだ先だな、と安心もする。

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2021/06/24

「生まれは育ちから」→遺伝的影響は環境によって引き出される。が主張 ・胎児のときの環境も個人差に影響を与えている。胎内環境にはいくつかバリ エーションがある。統合失調症の胎内ウイルス説。 ・臨界期がある。遺伝に沿って、学習できる時期が決まっている。アヒル、しゃ べることの無かった...

「生まれは育ちから」→遺伝的影響は環境によって引き出される。が主張 ・胎児のときの環境も個人差に影響を与えている。胎内環境にはいくつかバリ エーションがある。統合失調症の胎内ウイルス説。 ・臨界期がある。遺伝に沿って、学習できる時期が決まっている。アヒル、しゃ べることの無かった子供の研究。 ・人種間の平均的な遺伝の違いは、各個人の遺伝的違いより小さい ・近親相姦禁忌は遺伝と環境の組み合わせ。子供のときに一緒に住んでいた人は 恋愛に落ちにくいし離婚しやすい。(中国のシンプーアの研究) ・統合失調症について、育ちの影響は小さい。一般に精神分析がいう、冷たい母 親は間違い。遺伝子の示唆は、フロイト的な言説を否定する? ・脳のサイズの話題(灰白質が20%増量したことが文化の発生に寄与) ・猿にも文化はある。イモ洗い。ありの食べ方。 ・アシュール型握斧が100万年近く進化しなかった話題:プロポーズ用だったの では? ・布の母親と鉄の母親実験。→母性は食事のみによるわけではない。母親への愛 は報酬意外の先天的なものがある。 ・育て自体が性格に影響する度合いは小さいが、それでも育ては重要。なぜなら 遺伝レベルで、個人によって、環境への反応が異なる →孤児になっても平気な子と、そうでない子がいる。遺伝子レベルでその差が ある。 ・個性は、素質(遺伝)を欲求によって強化することによって生まれる。 →素質に会った欲求を引き出せる環境を与える必要性 ・公平な社会では生まれが強調され、不公平な社会では育ちが強調される。(直 感との矛盾を示している) ・遺伝子と本能は、どちらも理解を深めるほどに不可避(強制されないように対 処する)ことが可能にめる →たとえば、人種差別の問題は、心に深く根ざしているが、より広い対立軸を 導入すれば安易に解決できるかもしれない。 ・社会政策はひとりひとりが異なっていることを基本にしなければならない。 ・自由意志は遺伝子の決定論と両立する →遺伝子の発現は行為(経験、環境)に応じて行われる。CREB遺伝子

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2009/11/26

氏か育ちか 1.遺伝子を恐れるな。 2.それでも良い親になることは重要である。 3.個性は、素質を欲求で強化することによって生み出されたものである。 4.公平な社会では生まれが強調され、不公平な社会では育ちが強調される 5.遺伝子と本能は、度しhらも理解を深めるほど、不可避には...

氏か育ちか 1.遺伝子を恐れるな。 2.それでも良い親になることは重要である。 3.個性は、素質を欲求で強化することによって生み出されたものである。 4.公平な社会では生まれが強調され、不公平な社会では育ちが強調される 5.遺伝子と本能は、度しhらも理解を深めるほど、不可避には見えなくなる 6.社会政策は、一人一人が異なっているということを基本にしなければならない 7.自由意志は、遺伝子によってあらかじめ精妙に定められ働かされている脳と完全に両立する概念である。

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2009/10/07

 残念ながら途中まで。  育ちか遺伝か、という話。そりゃ、どっちかだけってことじゃないのは感覚的にわかるんですが、一体どれくらいなのよ、ってことを徹底的に議論した本。

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2009/10/04

生まれか育ちか、どちらか一方のみによって生物の形質が決まるのではない。 生まれは育ちを通して、現れてくる。 ついついどっちかに決めたくなっちゃうんだけど、それだと見誤っちゃうんですよね。 絶対読むべき本。

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