リジー・ボーデン事件 の商品レビュー

ベロック・ローンズ(著者),仁賀克雄(訳者)

2011/07/17

アメリカで起きた有名な未解決殺人事件のひとつリジー･ボーデン事件を推理した1作。

フィクションならもっとそれっぽく書いてもよかったんじゃないかと思う。
リジーが両親を殺害するに至る心理にどうも共感できない。父親からの抑圧や、結婚を許可してもらえなかった姉の心痛、恋人への情熱…。
その辺をねちっこく描かないと説得力がないんだよね。
しかも訳文が「会社の全費用負担でパリ旅行に送られた」とか「まったくエマを相手にするようにしばしばそうだった」とか、かなり直訳に近しく書かれていて、読みにくいことこの上なし。
尻切れトンボ風な終わり方といい、残念な作品だったなあ。