念珠オモヒノタマ の商品レビュー

岡野正広(著者),楠本直樹(著者),梅沢壮一(著者),松島恵利子(著者),佐々木一樹(著者)

2010/04/17

'04年に渋谷等で公開されたオムニバス・ホラー映画のノベライズ。

半年前に夫が失踪し、病気がちの美樹と、同じマンションに住む妊婦の博子。博子は料理を作るなど美樹の世話をしていたが、次第に美樹の部屋で奇妙なものを目にするようになる【念ヒ】、原因不明の頭痛に悩まされる医師・東の元に、傷害事件を起こして行方不明となっていた同僚の永井が訪れる。永井に教えられた住所を尋ねた東は、そこで男から薬を渡される【リアル】、一樹はチャットで知り合ったマキ、勇吐とキノコ狩りに行く事に。道に迷った３人は、山奥で青く光るキノコの丘を発見する【茸狩り】など短編９編。
心霊ものだけでなく、どのストーリーも現代ならではのモチーフを扱っている。

原作ではなくノベライズであり、主体はあくまで映画本編だから仕方ないのかもしれないが、ホラー小説として読むには正直面白くない。映像だから怖さが伝わる内容であって、それをまんま文字に起こしたところで奥行きが感じられないのだ（文章も正直稚拙）。表紙裏や口絵に各ストーリーのスチール写真が掲載されているが、これが先にイメージを固定してしまうような気もする。

……観に行こうかどうしようか迷ったあげく。結局行かず。DVD化はされてるんだろうか?