ジョン・レノン対火星人 の商品レビュー
高橋源一郎、幻のデビュー作。 第一作として群像新人文学賞に応募して落選した『すばらしい日本の戦争』を少し書きかえて発表したもの。 僕個人的には『さようなら、ギャングたち』の方が完成度が高い気がするが、この作品も充分に素晴らしい。 『さようなら、ギャングたち』に劣ると...
高橋源一郎、幻のデビュー作。 第一作として群像新人文学賞に応募して落選した『すばらしい日本の戦争』を少し書きかえて発表したもの。 僕個人的には『さようなら、ギャングたち』の方が完成度が高い気がするが、この作品も充分に素晴らしい。 『さようなら、ギャングたち』に劣るとは言えど、これは彼のデビュー作だ。 それを考えると、こんな作品をデビュー作でかける高橋源一郎はやっぱり天才だと思う。 『ギャングたち』にせよ、この作品にせよ、一度読んだだけでは完全に理解することは出来ないし、味わうことも出来ない。 『ギャングたち』の場合は、読み進めながら、加藤典洋の解説を読んで、読み進めて、理解して、味わって、もう一回解説を読んで、もう一回読み直す。それでもまだ足りないし、味わいきれない。 今回は内田樹が解説を書いているが、今回も同様に、本文読んで、解説読んで、本文読む。 それによって、面白さも、感動も、美しさも倍になる。 『ギャングたち』にせよ、『ジョンレノン対火星人』にせよ、アレゴリーっぷりが半端なく、そのアレゴリーっぷりを少しずつ理解し、紐解いていくとやっぱり、どう考えても、究極の私小説だなって思う。 内田樹も書いているが、学生運動(全共闘)のリアルな生き残り(実際高橋は学生運動で逮捕され、拘留中され、その時に失語症に陥っている)としての高橋源一郎による、もはや宿命的な作品であると言える。 彼がいかに小説(文学)を愛し、言葉を愛し、そして、愛するがゆえに苦悩し、苦闘して出来上がった『さようなら、ギャングたち』と『ジョン・レノン対火星人』。 これを読まずして、「小説を読んだ」とは言えない。 てか、言わせない。
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いままで読んだ高橋源一郎の小説の中で、 2番目に面白かった本。 68ページの 「ヘーゲルの大論理学」なる人物が 「突発性小林秀雄地獄」なる病気を 発症させる部分が好き。 こういう文章が出版されている事実に とても自由を感じる。
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理解不能な「ジョン・レノン対火星人」というブロックサイン。相手チームにそのサインが読まれることは無い。だけど仲間にもそのサインは解読することができない。サインが読めないうちに対戦相手の左ピッチャーは苦手な「肩口から入ってくるカーブ」を投げ込んでくる。僕らはどうすればいいのか?同じ...
理解不能な「ジョン・レノン対火星人」というブロックサイン。相手チームにそのサインが読まれることは無い。だけど仲間にもそのサインは解読することができない。サインが読めないうちに対戦相手の左ピッチャーは苦手な「肩口から入ってくるカーブ」を投げ込んでくる。僕らはどうすればいいのか?同じように死体を描写した手紙ばかりよこす「すばらしい日本の戦争」と僕らはどう向き合えばいいのか。義人は自らの受難をもって救済をなす。
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このころの作品は好き。ジョン・レノン対火星人。狂気なんだか、マジメなんだか。あのころの空気が詰まった世界で突き進む物語。馬鹿騒ぎの中での静謐のような寂しさを感じます。
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入手方法:池袋のJUNNKU堂。「虹の彼方に」勉強会に備えて。 露悪趣味、で片付けてしまう人は多いでしょう。 しかしではなぜわざわざ露悪をするのか。 数々の名前を持つ「手淫」をわざわざ「手淫」と表記する作者は、まさに独房の前の住人に死体の描写を送りつけ続ける「すばらしい日本の戦...
入手方法:池袋のJUNNKU堂。「虹の彼方に」勉強会に備えて。 露悪趣味、で片付けてしまう人は多いでしょう。 しかしではなぜわざわざ露悪をするのか。 数々の名前を持つ「手淫」をわざわざ「手淫」と表記する作者は、まさに独房の前の住人に死体の描写を送りつけ続ける「すばらしい日本の戦争」そのものです。 そのものは、悲しみでできています。
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何度読んでも泣けます。 ボリス・ヴィアンの「うたかたの日々」と読後感が似てるけど、 こっちの方が更にせつない。。。
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高橋源一郎、幻のデビュー作。おもしろい以外の何者でもない。けれど、僕は「さようなら、ギャングたち」の方が好き。(06/10/31)
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▼高橋源一郎初期三部作の最終巻。ギャングたちの底に流れる優しさもいいけれど、当時の僕にはコレが一番しっくり来ました。▼冒頭の東京拘置所でのオナニーの記述から、とにかくリズムがいい。そしてエンディングの壊れ方がまたまた素晴らしい。▼他の2作もそうだけど、アメリカンニューシネマのエン...
▼高橋源一郎初期三部作の最終巻。ギャングたちの底に流れる優しさもいいけれど、当時の僕にはコレが一番しっくり来ました。▼冒頭の東京拘置所でのオナニーの記述から、とにかくリズムがいい。そしてエンディングの壊れ方がまたまた素晴らしい。▼他の2作もそうだけど、アメリカンニューシネマのエンディングにも繋がるものがある気がします。
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はじめて個人売買を利用して手に入れた本がこれ。購入したのは新潮社刊の文庫ですが、画像がなかったので現在の版元である講談社のをUP。
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