クレタ、神々の山へ の商品レビュー
#4奈良県立図書情報館ビブリオバトル「バケーション」で紹介された本です。 2011.7.9 http://eventinformation.blog116.fc2.com/blog-entry-636.html?sp
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
小説家がギリシャ神話の発祥の地クレタ島を5日間トレッキング。小さな島であるクレタがいかに峻厳な山々の土地であるかを初めて知って驚きでしたし、またこのような背景だからこそ生まれた神話の地であることを納得しました。特に山好きではなかったという著者の山歩きの描写は淡々とした記述でありながら、興味深く読みました。最後に第2の山のパクネス山の頂上から最高峰イーディー山を含め5日間辿ってきた道を臨む光景と心の描写は印象的であり、自分自身もかつてこのような経験をした八丈島の景色を思い起こしました。
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旅行記に期待するどきどき感が薄い。 テレビ番組の撮影だからというのもあるのだろうけど、予定調和のうちに作家が歩いていると感じました。 クレタ島は、行ってみたいなぁ!
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エッセイを書いていても、やっぱりこの人の文章はセンスがある。 ふっと笑えたり、深い意味があったりするし、改行の使い方も流石うまい。 物書きはへそ曲がり、というやや自虐的な書き方も面白かった。 役者が、悪役があたりすぎてしまい、良い人の役がなかなかこなかったり やってみても不評なよ...
エッセイを書いていても、やっぱりこの人の文章はセンスがある。 ふっと笑えたり、深い意味があったりするし、改行の使い方も流石うまい。 物書きはへそ曲がり、というやや自虐的な書き方も面白かった。 役者が、悪役があたりすぎてしまい、良い人の役がなかなかこなかったり やってみても不評なように、小説家にもやはりそういうことがあるのだな、と思った。 それにしても、登山家の本を読むだけでああも緻密な小説が書けるのは 本当にこの人はすごい。 さも見てきたかのように嘘をでっちあげる、なんて書いておられるけれど 本当に取材力と想像力と文章力が半端じゃなく素晴らしい人だと改めて思う。 そういった小説を書くときの姿勢にある程度垣間見えるものではあるが、こうして エッセイという形で生の筆者の考え方を読めたのは非常に面白かった。 こういうことでそういった感じ方をするのか、などといろいろ思うことがあった。 些細なことで文化や国のあり方、人のあり方などに思いを馳せられる人だから あのような素晴らしい小説が書けるのだろう。 彼のノートを見に、山登りをしたくなってしまった。
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出不精作家、真保裕一がクレタ島トレッキングコースのテレビ番組への出演でクレタ島の2000?級の山や丘をトレッキングしながら日本やギリシャについてや自己の内面への対話を語っていく紀行文。クレタ島はもちろんギリシャ全体がそんなに山岳地帯だとは不覚にもまったく知らなかった。エーゲ海のイ...
出不精作家、真保裕一がクレタ島トレッキングコースのテレビ番組への出演でクレタ島の2000?級の山や丘をトレッキングしながら日本やギリシャについてや自己の内面への対話を語っていく紀行文。クレタ島はもちろんギリシャ全体がそんなに山岳地帯だとは不覚にもまったく知らなかった。エーゲ海のイメージが強すぎたんだなあ。考えてみれば2000年前はポリスが乱立していた訳で…山に阻まれるという地理的条件があったからこそだったのか…と今になって納得。ギリシア神話やギリシャ正教の香りが漂う聖なる山々を意外にもこれまで登山はほぼ未経験の著者がさまざまな思索や観察にふけりながら描写してくれる。凄く大変そうだけど(笑)ギリシャの意外な一面に触れられてまた楽しかった。
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