感光生活 の商品レビュー
エッセイという名の虚構。 私について語るとき、自分という一種のフィルターがかかる。 そもそも誰かに語られた時点で、事実は真実ではなくなる。 この作品は、事実を語ることが目的ではなく、 作者は、意識的に、虚構を混ぜ込んでいる。 厳密には、エッセイではない。 でもジャンルなんか...
エッセイという名の虚構。 私について語るとき、自分という一種のフィルターがかかる。 そもそも誰かに語られた時点で、事実は真実ではなくなる。 この作品は、事実を語ることが目的ではなく、 作者は、意識的に、虚構を混ぜ込んでいる。 厳密には、エッセイではない。 でもジャンルなんかどうでもいい。 ただ面白い。読む喜びがある。
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詩人の短編集。 子供なし。弁護士試験に落ち続ける男が23人の元カノの話をする。 隣人鍋 , 島と鳥と女 , 青いインク , ゴッド・オブ・チャンス , 石を愛でる人 , げんじつ荘 , 祭りの日 , ハウル・ザ・バー , 風のリボン , 鳩の影 , 蜂蜜びんの重み , クラスメイ...
詩人の短編集。 子供なし。弁護士試験に落ち続ける男が23人の元カノの話をする。 隣人鍋 , 島と鳥と女 , 青いインク , ゴッド・オブ・チャンス , 石を愛でる人 , げんじつ荘 , 祭りの日 , ハウル・ザ・バー , 風のリボン , 鳩の影 , 蜂蜜びんの重み , クラスメイト , 中川鮒蔵商店 , ミミとわたし, 船上レストラン
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詩人、小池昌代さんの初めての短編集。雑誌「ちくま」と「webちくま」に連載していたものの中から14本と、それに書き下ろし1本を加えた15本の短編が収められている。 すべて「わたし」という一人称で語られており、誰かに呼ばれるときの名は「こいけさん」だったりするので、これってエッセ...
詩人、小池昌代さんの初めての短編集。雑誌「ちくま」と「webちくま」に連載していたものの中から14本と、それに書き下ろし1本を加えた15本の短編が収められている。 すべて「わたし」という一人称で語られており、誰かに呼ばれるときの名は「こいけさん」だったりするので、これってエッセイなのかしらと思うほどリアルに迫ってくるのだが、しかしその内容は、まるでドラマ「世にも奇妙な物語」でも見ているかのように不思議で、現実の中に潜むねじれた狂気がひょいと顔を出す。 狂気といってもそう現実離れしているわけではなく、ひょっとしたらちょっとしたきっかけで普段の自分の生活の中でもありうることなんではないかと思える。多分このことが、「感光生活」というタイトルに表されているのだろう。 また、もう一つ、どの短編からも、何かからの解放(もしくは解放されたいのに解放されないまま時が流れてゆく苦しみ)といったものが感じられた。もしかしたら、人生は、何かから解放されるか否かの闘いに過ぎないのではないかという気がしてくる。 書き下ろしの1本「青いインク」の中に、以下の文章がある。 ------------------------------------------------------------------------- 自分の手元に万年筆を溜め込まず、流通させているのである。万年筆を愛するのと同時に、万年筆を介して生ずる人間関係を楽しんでいるのだろう。だから教授には物狂いの偏狭さがなく、モノを語っても隙間があって、対する者を、おおらかな気分にさせた。 ------------------------------------------------------------------------- ここを読んだとき、自分も、本について、こうでありたい、と思った。(2006.1.8)
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2009.05.30. これは、フシギ。ほんの数ページの掌編がたくさんあります。どこから読んでも平気、どこに漂っているのもなんだか微妙にゆるやかな、気を抜いたら足元がつるりとしそうな空気。独特の、世界と言ってもいいのかも。あの妊娠してた話が一等好き。妙なんだけどね、すごく納得でき...
2009.05.30. これは、フシギ。ほんの数ページの掌編がたくさんあります。どこから読んでも平気、どこに漂っているのもなんだか微妙にゆるやかな、気を抜いたら足元がつるりとしそうな空気。独特の、世界と言ってもいいのかも。あの妊娠してた話が一等好き。妙なんだけどね、すごく納得できた。
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短編の集積だがどれも不思議な雰囲気を醸し出していてベンシャーンの表紙とマッチしている。 枚数の制限がなければどの話も続けて膨らませるのに、と思う。もっと書いてほしいところをそこで留めているから余韻があるのかもしれない。 普通の物語だがところどころ官能的であったりやや不気味...
短編の集積だがどれも不思議な雰囲気を醸し出していてベンシャーンの表紙とマッチしている。 枚数の制限がなければどの話も続けて膨らませるのに、と思う。もっと書いてほしいところをそこで留めているから余韻があるのかもしれない。 普通の物語だがところどころ官能的であったりやや不気味であったりする。 やはり言語感覚が独特で、詩人の作品という感じがする。 作成日時 2007年12月16日 17:55
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それは日常? 日常なんて、いくらでもひっくり返るものなのよ。 目の前の実体にばかりとらわれないで。
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エッセイのような、小説のような。日常でありながらどこか歪んだ世界を綴る短編集。『青いインク』のいくらでも話を広げられそうでありながら、あえて書かれることのない物語が、妙に印象的でした。
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日常のようなものを描いてるんだけど、なんか歪んでる。なんか怖いというかうまく説明できない感情がうまれます。 不思議。。
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すわん。すき。 エッセイのようでありそうでもないようであり 何にも変えられてないし何にも終わってないのに終わりがくる感じ。好き。
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