新型・殺人感染症 の商品レビュー
伝染病の勉強をさせてもらっている獣医学生として、なかなか楽しませてもらいました。 かわいらしい表紙と、多少センセーショナルな見出しとは対照的に、中身は結構充実しています。 ちゃんとこの本の内容を理解するには、ある程度の感染症や公衆衛生学、微生物学や生理学の知識が要求されます。...
伝染病の勉強をさせてもらっている獣医学生として、なかなか楽しませてもらいました。 かわいらしい表紙と、多少センセーショナルな見出しとは対照的に、中身は結構充実しています。 ちゃんとこの本の内容を理解するには、ある程度の感染症や公衆衛生学、微生物学や生理学の知識が要求されます。 専門的にそれらの内容を学んでいる人間にとってはいいのですが、一般の人向けの内容ではないと思いました。(ただし、あとがきに「一般人向けにかいた」とは言っています 笑) 訳も結構ヘタクソで、カタカナ語でごまかしている部分もあったり、何より本のページ自体が430p近くもあるので、読みやすいとは言えません。 しかしながら、感染症というものがどのようにして広まったのか、どのように社会的に衝撃を与えたのか、どのような対策がとられたのか等々、この本から学べることは非常に多くあります。 獣医学生は時間のあるうちに読んでおきましょう。
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黄色い表紙でかわいらしいのですが、内容はそのタイトル通り、最近有名な SARS や BSE 、炭疽菌から、身近にある大腸菌やインフルエンザ、過去のものと扱われている結核や天然痘など、幅広い感染症についてのちゃんとした本です。原書のタイトルは、The New Killer Dise...
黄色い表紙でかわいらしいのですが、内容はそのタイトル通り、最近有名な SARS や BSE 、炭疽菌から、身近にある大腸菌やインフルエンザ、過去のものと扱われている結核や天然痘など、幅広い感染症についてのちゃんとした本です。原書のタイトルは、The New Killer Diseases、サブタイトルが How the Alarming Evolution of Germs Threatens Us All で、Elinor Levy, Mark Fischetti 著です。エイズやバイオテロ、まれな感染症については他人事に思えるかもしれませんが、日本では近年、結核感染が若い人たちで起こってきています。また最近、子供達で問題になっているアレルギーですが、感染症が多い地区では罹患率が低いんです。きれいすぎる環境が子供の免疫形成を邪魔しているという、なんだか皮肉な結果なのですが事実そうなんです。最後の「私たちは何をすべきか」の部分だけでも、軽く流し読みして欲しいかなと思います。
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