きわめてよいふうけい の商品レビュー

ホンマタカシ(著者)

2023/04/28

どこにでもある、美しくない河原とか民家がすごくリアルに、こちらにぐっと迫るように撮られている。でも写真として汚くなってない。

希望を持つと今現在のリアリティがなくなる、というような言葉があり、印象に残った。確かになるほど。
希望希望って、やたら夢とか希望が語られ過ぎて、みんな当たり前に良いことってとらえてるから、新鮮だった。

全部、希望に満ち溢れた明るい写真ではないけど、あきらめじゃない。静かな意志がある深い色合い。

バス停ロータリーを写した1枚が印象的だった。
空にむかってのびるポールが画面上部でバッサリとカットされている。天高く、のびあがるような希望はない。でも、目的地はある。バスの行き先表示がそれを示唆するように感じた。バスは毎日目的地にむかって走る。
そのバスのように写真を撮り続ける中平さん。
そんなメッセージを感じた。

とてもよい写真集だった。

2009/10/04

「ﾌﾟﾛｳｫｰｸﾞ」そんな挑戦的な言葉で駆け抜け、倒れ、記憶をなくした先にたどり着くところ。

いとおしき日常風景。