隠し剣孤影抄 新装版 の商品レビュー
生活者型剣客
巻末収録の解説に「生活者型剣客」という言葉が引用されているが、うまく言い当てているなあと思う。 個人的には、たそがれ清兵衛よりもこちらのほうが好み。
長束
「隠し剣」シリーズ…
「隠し剣」シリーズで短編ユ編を収める。「隠し剣」といわれ、一人相伝によって伝えられる剣の奥義は〈秘剣、外に語らず〉であり、誰が秘剣の使い手なのか分からないところに読者は引かれていくのだろう。さえない下級武士が実は秘剣の使い手だったりするところに「隠し剣」といわれるゆえんがある。...
「隠し剣」シリーズで短編ユ編を収める。「隠し剣」といわれ、一人相伝によって伝えられる剣の奥義は〈秘剣、外に語らず〉であり、誰が秘剣の使い手なのか分からないところに読者は引かれていくのだろう。さえない下級武士が実は秘剣の使い手だったりするところに「隠し剣」といわれるゆえんがある。「宿命剣鬼走り」にひかれます。藤沢周平の小説の暗さが、この短編集にも漂っているが、読む者の心を憂鬱にする暗さではなく、どこかで救われるような、優しさをもった暗さに魅力を感じます。「暗殺剣虎ノ眼」は身震いするような怖い短編である。最
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「たそがれ清兵衛」を…
「たそがれ清兵衛」を読んではまった人は是非。似たような構成です。藤沢先生のこういうお話好きだなぁ。だいたい、藤沢先生の書く夫婦ってほんといいのよね。
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珠玉の短編集です。ア…
珠玉の短編集です。アメアガリさんもおっしゃっていますが、「暗殺剣虎ノ眼」にはやられました。一度に読み切るのは勿体ないので、一日一編、休日に三編ぐらいでいかがでしょうか。
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冒頭に掲載されていた…
冒頭に掲載されていた「邪剣竜尾返し」がいい。決闘によって命を落とすかもしれないのに清々しい男の姿があります。
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藤沢周平ワールドが楽…
藤沢周平ワールドが楽しめる一冊。池波正太郎もいいが、藤沢周平もいいぞ!
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愛おしく、切ない
異質な力ゆえに隠さなければならない「秘剣」。ここに描かれるのは、その技を持ちながら、ひっそり生きてゆく者たちの姿。小さな幸せを抱きしめ、生きる人の姿だ。彼らは人ゆえに迷い悩む。その姿が愛おしく、切ない。
yui
秘剣の数々。何れも、ほんのりと謎を残して終わる。武家の如何ともし難い武家の意地、家族への情愛、男女間の情念が絶妙に絡む。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
必殺技を軸にして武士の生き様、それを取り巻く人たちの悲喜を描く短編集。 海坂藩のお家騒動を通した連作短編集と勝手に期待していたのだが、背景にそれらしき陰謀は匂わせるものの、焦点はあくまでも必殺技を持った武士たちであり、人生である。 決してヒーローとしては描かない。 秘技を持ってしまった者の境遇を「武士」の生き方を通して冷静に描写する。 武士の誇りをかけて立ち会う者もいれば、臆病ながらも地道に奉公する者もいる。 そして、男たちの生き方に大きく人生を左右される女性たち。 不条理そのものの世界の中で、それでも人は人を思いやって生きていく。 どんなに強くなっても、人生は辛いことの方が多い。 でも、助け合って生きて行く。 しんみりと、教えてくれる。
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一話、一話でも十分な重さがあるけど、次から次へと読み進めたくなる。 合間にほかの作品を挟んでみたけど、藤沢周平さんの話が合ってるな、と実感。 どれを読んでも面白い。 死闘が欠かせないから面白いだけでは片付けられないけど、ページをめくる手は止まらない。 暗殺剣虎之眼の匂わせる終...
一話、一話でも十分な重さがあるけど、次から次へと読み進めたくなる。 合間にほかの作品を挟んでみたけど、藤沢周平さんの話が合ってるな、と実感。 どれを読んでも面白い。 死闘が欠かせないから面白いだけでは片付けられないけど、ページをめくる手は止まらない。 暗殺剣虎之眼の匂わせる終わり方など好き。
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