隠し剣秋風抄 新装版 の商品レビュー
隠し剣シリーズ第2弾
酒乱剣石割り、汚名剣双燕、女難剣雷切り、陽狂剣かげろう、偏屈剣蟇ノ舌、好色剣流水、暗黒剣千鳥、孤立剣残月、盲目剣谺返し 隠し剣シリーズ第2弾。 孤影抄より少しだけ趣向が凝らされている印象。見事な出来。
長束
「隠し剣孤影抄」に続…
「隠し剣孤影抄」に続く異色剣客小説集。9編の趣向を凝らした「剣技」が登場する。「酒乱剣石割り」「汚名剣双燕」「女難剣雷切り」「陽狂剣かげろう」「偏屈剣蟇ノ舌」「好色剣流水」「暗黒剣千鳥」「孤立剣残月」そして、「盲目剣谺返し」は、山田洋次監督の映画「武士の一文」の原作でもある。小説...
「隠し剣孤影抄」に続く異色剣客小説集。9編の趣向を凝らした「剣技」が登場する。「酒乱剣石割り」「汚名剣双燕」「女難剣雷切り」「陽狂剣かげろう」「偏屈剣蟇ノ舌」「好色剣流水」「暗黒剣千鳥」「孤立剣残月」そして、「盲目剣谺返し」は、山田洋次監督の映画「武士の一文」の原作でもある。小説の冒頭。『「おそい」新之丞は、かすかに眉を寄せた。夜気の冷たさは、時刻が更けたことも示している。妻の加世が、まだ戻っていなかった』。見事な導入部の書き出しである。加世の動向が重要な物語の展開に絡んでくる。そしてまた、最終章がいい。
文庫OFF
『隠し剣孤影抄』の続…
『隠し剣孤影抄』の続編。これもかなりいいです。
文庫OFF
最終話「盲目剣谺返し…
最終話「盲目剣谺返し」が山田洋次監督、木村拓哉主演で2006年に映画化されるという。それを知る前に読んでしまった。盲目の剣士・三村とその妻の情愛を山田監督はどのように描くのか。大いに期待したい。それぞれの物語に必殺剣を駆使した戦いが用意されておりますが、正直なところ一瞬で決まるも...
最終話「盲目剣谺返し」が山田洋次監督、木村拓哉主演で2006年に映画化されるという。それを知る前に読んでしまった。盲目の剣士・三村とその妻の情愛を山田監督はどのように描くのか。大いに期待したい。それぞれの物語に必殺剣を駆使した戦いが用意されておりますが、正直なところ一瞬で決まるものが多く、話の締め括りに用意されているだけだ。その迫真の攻防よりも、それに至るまでの性格描写が巧みで大いに読ませる。まさに円熟の味わい。
文庫OFF
胸を打つ短編集
「隠し剣」シリーズ第2弾。収められた9編は、いずれも「隠し剣」という妙技を体得した男たち、そしてその周囲の女たちを描いた物語。剣を持って生きる者たちの哀しみが、誇りが、胸を打つ短編集である。
yui
どのお話も読み終わった時の感激は大きいのだけれど、最後の盲目剣谺返しはことさら良かった。加世を再び迎え入れる新之氶、なんともかっこいいではないですか!
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孤影抄と違って映像化に向いた作品は少なめ。個人的には盲目剣谺返しが武士の一分と被って、映像でみたいと思ったら原作だった。九篇収録というボリュームも有り難い。また前作と合わせて読み直したい。
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人生が凝縮されているという書評を読んで手に取る。世間は不条理にあふれている。しかし、人生を描かない小説というのはほぼないわけで、ただこれは、いってみれば暇つぶし的に読む本の類で、読んだから何かのためになるという類ではない。 でも、残月剣で、高江さんが、襷と懐剣で走り寄るシーンや、...
人生が凝縮されているという書評を読んで手に取る。世間は不条理にあふれている。しかし、人生を描かない小説というのはほぼないわけで、ただこれは、いってみれば暇つぶし的に読む本の類で、読んだから何かのためになるという類ではない。 でも、残月剣で、高江さんが、襷と懐剣で走り寄るシーンや、谺返し剣で、「今夜は蕨たたきか」というシーンは、泣いた。
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武士物9編。 毒見役の職分を果たしたがために失明した男の失望、その夫と家を守るために夫の上司に身体を任せた妻の愛を描いた「盲目剣谺返し」は映画「武士の一分」の原作。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
藤沢周平「隠れ剣 秋風抄」、2004.6発行、9話。秘剣を操る武士とその武士に関わりのある女性、その女性の存在が、この9つの物語の中核を成しています。読みながら、いつの間にか自分が物語の武士に成り代わっていました。どれも読み応えがありました。特に、偏屈剣蟇(ひき)の舌、孤立剣残月、盲目剣谺(こだま)返しの3作品がお気に入りです。
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