羅針盤の謎 の商品レビュー
羅針盤は中国で発明されたが、風水的な使われ方をしていた。 イタリアのアマルフィで進化して、使いやすい構造になり、積極的に航海に使われるようになった。 それが大航海時代を産んだ。 とは言え、羅針盤発明以前にも外洋を航海する手段はあった。星の観察、水深の観察など。 しかし天気が悪...
羅針盤は中国で発明されたが、風水的な使われ方をしていた。 イタリアのアマルフィで進化して、使いやすい構造になり、積極的に航海に使われるようになった。 それが大航海時代を産んだ。 とは言え、羅針盤発明以前にも外洋を航海する手段はあった。星の観察、水深の観察など。 しかし天気が悪い場合はダメ。やはり羅針盤には大きな意義がある。 読了45分
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GPSによる航法以前に広く使われてた羅針盤のメカニズムである、磁気コンパスの成立を辿る。 イタリアの南部アマルフィのフラヴィオ・ジョイアが、磁気コンパスを発明したとされる。少なくともアマルフィではそう言われて、記念碑もある。しかし実際は、フラヴィオ・ジョイアなる人物の実在自体が...
GPSによる航法以前に広く使われてた羅針盤のメカニズムである、磁気コンパスの成立を辿る。 イタリアの南部アマルフィのフラヴィオ・ジョイアが、磁気コンパスを発明したとされる。少なくともアマルフィではそう言われて、記念碑もある。しかし実際は、フラヴィオ・ジョイアなる人物の実在自体が疑問視されていた。 本書は、磁気コンパス以前の航海法から始め、羅針盤の歴史やその根本となる磁気コンパス発見の歴史、さらには東西南北という方角の由来や12方位から16方位に切り替わった理由などを丁寧に検証する。その過程で、謎の人物フラヴィオに関する調査も進められる。 磁気コンパスそれ自体は、中国で発見されたものであった。しかし中国では当初は風水の占いに使用されており、航海で使用する羅針盤として用いたのは中世ヨーロッパの方が先であった。また羅針盤はアマルフィで完成されたかもしれないが、フラヴィオ・ジョイアは発明者ではなく羅針盤について文書で説明した最も初期の人物である可能性も指摘された。 現代ではGPSによって取って変わられている羅針盤であるが、その根源には東西南北という観念や地磁気とその性質、東西文化の交流など様々な要因が絡み合うものであった。 比較的大きな文字で1ページあたりの字数が少なく、内容も平易で読みやすい。
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