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徹底検証 大学法人化 の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2017/01/21
  • ネタバレ

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2004年刊。国立大学の法人化までの過程を素描し、利害関係人たる大学教員、事務職員の意識、文部科学省や経済産業省の思惑、政治家の動きを追いつつ、縦割り組織の弊害(非常時に腰が重く、また引けている)を活写。筑波大学の創設と挫折、東大医学部の挑戦は興味深いが、一方、学生は全く登場しないし、私立大学、殊にいわゆるF大学などの存在意義に議論が及ぶことはない。実際、米型大学の模倣を目指すようだが、それは特定大学あるいは特定学部への導入で良いのでは、との感。歴史や文学研究と理工系、医薬系と同列とするのは無理がある。

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2013/08/24
  • ネタバレ

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国立大学が大学法人として04年春にスタートするまでの大学改革の歴史です。筑波大の開学がその先駆的な役割を果していたとのことで、筑波大の歴史に詳しくページを割いています。中教審大学として反対闘争が盛んだった私自身の学生時代を思い出しますが、反対闘争が心配していたような学長独裁も政府主導もなかったということに肩透かしという感じよりも、むしろ小人の集まりであった大学という世界の闇の大きさを改めて痛感させられ、日本の大学、研究界の行き先がもっと暗いことを心配せざるを得ませんでした。それにしても大学改革の旗手が理系の教官たちで、文系はほとんどが守旧派であるというのも皮肉ながら理解できるように思われるのです。

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2012/11/10

 国立大学が法人化されたのは2004年のこと。  そのときは「ふーん?」くらいのノリだったのだが、今コレを読み返すと、何にも知らなかったのだなぁと思う。  知を生み出す源泉が、公務員でありながら「当たり前」と思うことはどうなんだろう……。法人化はともかく大学の仕組み自体が社会に有...

 国立大学が法人化されたのは2004年のこと。  そのときは「ふーん?」くらいのノリだったのだが、今コレを読み返すと、何にも知らなかったのだなぁと思う。  知を生み出す源泉が、公務員でありながら「当たり前」と思うことはどうなんだろう……。法人化はともかく大学の仕組み自体が社会に有って居なかったのだろうと思うし、今も有っているかというとそれは違うだろう。しかし、大学だけの問題じゃなくて各企業にしろなんにしろ、合わないと淘汰される可能性が高くなるだけであり、必ず合っているかというと違うと思う。  また、合っていなければならないという訳でもない。  さて、今は2012年である訳なのですが、現在はどうなっているのだろう。

Posted byブクログ

2011/07/13

国立大学が法人化されるまでの紆余曲折が解説される。 ちなみに国立大学法人は、(独立行政法人通則法ではなく)国立大学法人法により設置される法人です。

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2011/03/27
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[ 内容 ] 戦後の新制大学発足以来の変革と言われる大学法人化が、二〇〇四年四月から始動。 この変革の意義と今後起こりうる問題とは? 当事者取材を元に、改革の源流を掘り起こしながら探る。 [ 目次 ] 法人化の見取り図―泣いた人・笑った人 伏線(行政改革の波とグローバル化の波;新構想大学・筑波の挑戦と挫折;東大医学部・97年の反乱) 文科省と国立大学の関係を問う 国立大学協会の無為無策 東大だけが生き残るのか 「経産省VS文科省」という底流 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2010/11/14

法人化に当たっての、文科省と大学、国大協との確執というかごまかしあいというか、つまりそんなことが明らかになる。どちらも自らの保身が中心的な関心で、高等教育のグランドデザインなんか興味のあるところではないらしい。そこに関心のあるのは経産省らしい。この独法化にかぎらず、国の施策という...

法人化に当たっての、文科省と大学、国大協との確執というかごまかしあいというか、つまりそんなことが明らかになる。どちらも自らの保身が中心的な関心で、高等教育のグランドデザインなんか興味のあるところではないらしい。そこに関心のあるのは経産省らしい。この独法化にかぎらず、国の施策というのはこういうふうに国民にはさっぱり分からないところで決まっていくのだろう。徒労感だけが残る。

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