娘巡礼記 の商品レビュー
高群逸枝の巡礼記。高…
高群逸枝の巡礼記。高群逸枝作だと思わなくても楽しめます。
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千野帽子さんの文藝ガーリッシュに紹介されていたのと、テレビで外国の方がお遍路をなさるのが紹介されていて、昔のお遍路の様子が知りたくて読んでみた。が、残念ながら中断。最初の純情な様子が、だんだんちやほやされて、なんだか高慢ちきに見えてしまって嫌になったせい。女性の一人旅に対する偏見...
千野帽子さんの文藝ガーリッシュに紹介されていたのと、テレビで外国の方がお遍路をなさるのが紹介されていて、昔のお遍路の様子が知りたくて読んでみた。が、残念ながら中断。最初の純情な様子が、だんだんちやほやされて、なんだか高慢ちきに見えてしまって嫌になったせい。女性の一人旅に対する偏見や、推測でずけずけ物を言われる事への不愉快さは、気の毒に思うし、女性史の資料としては貴重だ。でも旅の序盤でもう、『してもらって当たり前』『自分より下に見えたら適当にあしらっていい』という態度が見えて、非常に鼻についた。時代的なこともあって、女性で高等教育を受けたということは、家庭的にも相当恵まれていたのだろう。だからこういう口吻になるのは仕方ないのだろうけれど。 後に平塚らいてうらとともに活動したり、学者として確固たる仕事をしたのなら、どこでこのお嬢様育ちの少女が、目を覚まして、謙虚な落ち着いた大人になったのか、その内心の成熟のほうが、よほど私には興味がある。それにしても、一人旅したら人生しくじったと思われるなんて。源氏物語の宇治の姫宮が、宮仕えするなって言われてるところみたい。びっくりして笑ってしまった。
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高群逸枝の女性お遍路の旅(ひとりでするはずが、なぜか道連れ有)。 そこここに、感情大爆発の乙女全開モードが出現します。 「文藝ガーリッシュ」でも紹介されてますよね。私もそのクチです笑
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古臭さを感じないその文章。 そして激しさの中に時折垣間見れる その女性「らしさ」。 その当時は女性のお遍路は 偏見、好奇の目で見られたことでしょう。 現実に彼女もそれで何度か 苦労している旨の文があります。 そしてお遍路狩りの存在。 せっかくのお遍路を警察の手によって 砕かれ...
古臭さを感じないその文章。 そして激しさの中に時折垣間見れる その女性「らしさ」。 その当時は女性のお遍路は 偏見、好奇の目で見られたことでしょう。 現実に彼女もそれで何度か 苦労している旨の文があります。 そしてお遍路狩りの存在。 せっかくのお遍路を警察の手によって 砕かれる無念。 幸いにも2人は終わった後だったので 難を逃れたものの… うれしいときもあり、 悲しく、つらいときもあり… その感情は今現在でも変わりのないことかと 思います。
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沢木耕太郎の深夜特急が男性による海外放浪記の傑作とすれば、娘巡礼記は女性による国内放浪記の傑作である。 とにかく、軽妙で親しみやすい書き口、登場する様々な人物と、寺の由来等の伝説、そして雄大な自然の描写。とても楽しく読むことができた。 特に、登山に多少親しむ人には、この戦前の...
沢木耕太郎の深夜特急が男性による海外放浪記の傑作とすれば、娘巡礼記は女性による国内放浪記の傑作である。 とにかく、軽妙で親しみやすい書き口、登場する様々な人物と、寺の由来等の伝説、そして雄大な自然の描写。とても楽しく読むことができた。 特に、登山に多少親しむ人には、この戦前の遍路行、野宿や避難小屋的な木賃宿など、具体的にイメージがわいてより面白いかもしれない。 今の時代の我々の感覚では、あるいはこの巡礼のシーンのイメージというのは難しいのかもしれない。だからこそ、ファンタジーよりリアリティあるファンタジーとして読めるという部分もある。
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自然は残っていて人間も近代的だから、困難も並大抵ではない。 現代で再現は不可能だろう。 臨場感と著者の感傷を味わえたので満足。
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四国に旅行に行く電車の中で読みました。多少盛っているということはあるんだろうけど、巡礼中のエピソードがすごく面白い。女性一人で旅行にでること自体珍しかったという、当時の時代の空気を感じながら読む事ができました。
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この当時弱冠24歳の女性の一人でのお遍路がいかに特異なことであったかが、お遍路で出会った人々の彼女に寄せる眼差し、話しかけ、お世話などによって窺い知れる。
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後に女性史の先駆的存在となる高群逸枝が、女ひとりお遍路を…と言うことに惹かれて読み始めたのだけれど…… 時は大正、女性の一人旅なんて考えられな時代、おまけにお遍路も今のような観光めいたものではなく、途中で亡くなる人だっていた時代。 どれほど大変なことか…と読み始めたものの、一人で...
後に女性史の先駆的存在となる高群逸枝が、女ひとりお遍路を…と言うことに惹かれて読み始めたのだけれど…… 時は大正、女性の一人旅なんて考えられな時代、おまけにお遍路も今のような観光めいたものではなく、途中で亡くなる人だっていた時代。 どれほど大変なことか…と読み始めたものの、一人で回ったのは 自宅のある熊本から大分まで。 後はご親切なお爺さまと一緒の旅で…正直、違うじゃん!!!と突っ込みたいところ。 当時の遍路宿の生々しさ、うら若い高群の若き日がうかがえる一冊ではあるけれど。 解説によると、かつては遍路=夜逃げ、業病と同義だったのだとか。
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