ナポレオン(上) の商品レビュー

エミール・ルートヴィヒ(著者),北沢真木(訳者)

2012/03/07

ナポレオンの伝記です。それも、文章に残っているナポレオンの言葉を中心にその想いや苦悩に焦点を当てています。というより、それ以外の記述は乏しいので、基本的な時代背景や歴史を知ってないと読んでもよく分からない。特に、日本語訳が酷いのが読みにくさに拍車をかけています。けど、それらを克服すれば非常に興味深い内容です。

2009/10/04

コルシカが生んだ、近代最後の英雄、ナポレオン。

この本では彼の最たる面である、戦争や軍事、政治といった面ではなく、どちらかというと内面の葛藤を中心に描かれている。小説的な構成の為、すべてが真実であるという保障はないが、ナポレオンという人間の複雑さがよくわかる本である。

後世に　Art of war　と称えられた戦の天才が、その生活までが戦場さながらであり、そこでは決して　Art にはすることが出来なかったもどかしさが伝わってくる。

下巻のセントヘレナ編からはその末路に涙を超えた虚しさがこみあげてくるのを禁じえない。