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ユダヤ教とはなにか の商品レビュー

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2016/02/03

[伝統と歴史を踏まえて]多くの日本人にはなかなか馴染みの薄いユダヤ教。ディアスポラ(注:離散の意)などの影響から、なかなか簡潔にまとめることが難しいこの「教え」の特徴を、歴史的背景を踏まえながら分析している作品です。著者は、ご自身が改革派ユダヤ教のラビ(注:ユダヤ教のいわゆる精神...

[伝統と歴史を踏まえて]多くの日本人にはなかなか馴染みの薄いユダヤ教。ディアスポラ(注:離散の意)などの影響から、なかなか簡潔にまとめることが難しいこの「教え」の特徴を、歴史的背景を踏まえながら分析している作品です。著者は、ご自身が改革派ユダヤ教のラビ(注:ユダヤ教のいわゆる精神的指導者)でもあるニコラス・デ・ラーンジュ。訳者は、ケンブリッジ大学の神学・宗教学科を卒業されている柄谷凛。原題は、『Judaism』。 「ユダヤ教とはなにか」という単純で複雑な問いに答えるに際して、請求に回答を急ぐのではなく、「どのようにしてその問いに答えるか」という点を詳述してくれているため、軸となる視点がぶれることなく読み進めることができるかと思います。ときに前提知識がないと難解な部分もあるのですが、テーマごとに章立てされているので、興味があるところから読み進めるというのもオススメです。 ユダヤ教、またはユダヤ人というアイデンティティーが直面している今日的な課題についてページが割かれているところも、テーマを読者に引きつける上で効果的だと感じました。キリスト教、イスラームに比してあまり入門書が多くないと思いますので、本書を窓口にその世界に足を踏み入れてみるのもよいのではないでしょうか。 〜つまりユダヤ人であるとは、この歴史的経験を共有しているという意識をもっていることである。〜 参考文献がしっかりしているところがこれまたgood☆5つ

Posted byブクログ

2014/01/26

ユダヤ教という言葉でさえも、ユダヤ人の宗教という意味でユダヤ人の擁護に定着したのは最近のことだった。 ユダヤ人であるとは、歴史的経験を共有しているという意識を持っていること。どんな形であれ、現代ユダヤ教とユダヤ人世界が、伝統という概念を大きな特質としているとすれば、その一因は喪失...

ユダヤ教という言葉でさえも、ユダヤ人の宗教という意味でユダヤ人の擁護に定着したのは最近のことだった。 ユダヤ人であるとは、歴史的経験を共有しているという意識を持っていること。どんな形であれ、現代ユダヤ教とユダヤ人世界が、伝統という概念を大きな特質としているとすれば、その一因は喪失感にあるのかもしれない。 シナゴーグでの主な礼拝のハイライトはトーラーの朗読である。 アラビア語の影響のもとに発達したヘブライ語文法という学問は聖書学にのみならず。詩にも影響を及ぼした。 ユダヤ教の宗教的伝統をざっと勉強しただけでも伝統のほとんどすべての領域で、倫理的考察が非常に本質的かつ重要なものであることがわかる。

Posted byブクログ