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愛の重さ の商品レビュー

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20件のお客様レビュー

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アガサクリスティが別…

アガサクリスティが別名義で発表した純文学小説。たとえ善意でしたことでも相手に与える影響は自分には分からない。純文学でありながら心の謎を解いていく筆力はミステリ作家ならでは。

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愛に狂い、人生のレー…

愛に狂い、人生のレールを踏み外してしまう人々の姿を描いた、クリスティの非ミステリ作品です。

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姉妹の愛とその愛が一…

姉妹の愛とその愛が一方にのみ重く押しかかることがどのような結末を迎えるかを描いています。多少、スピリチュアルな部分もありますが飽きません。子供時代の姉の鬱屈した感情と周囲の反応、唯一の友となる偏屈な老教授との親交など、思い入れが強くて泣いてしまうことも。お勧めしたい一冊です。

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推理小説ではないが、…

推理小説ではないが、深い人生の洞察に満ちた作品だ。不思議なのはこの作品において誰が悪者なのか最後まではっきりしない点。みな愛に溢れて、慈悲深く、人間としてできた人びとばかりなのに、人生の歯車が狂っていく。個人的には、よき助言者として登場する偏屈な老教授と主人公の友情が温かでほほえ...

推理小説ではないが、深い人生の洞察に満ちた作品だ。不思議なのはこの作品において誰が悪者なのか最後まではっきりしない点。みな愛に溢れて、慈悲深く、人間としてできた人びとばかりなのに、人生の歯車が狂っていく。個人的には、よき助言者として登場する偏屈な老教授と主人公の友情が温かでほほえましかった。彼がところどころで吐くハッとするような格言もまた必見だと思う。

文庫OFF

2022/12/09

誰かを愛するということ、誰かに愛されるということ。二人の姉妹の人生の一部を覗き込みつつ、それぞれの愛の重みを描いたアガサ・クリスティーの名作。 アガサ・クリスティーがもともと違うペンネーム、メアリ・ウェストマコット名義で執筆した6篇のうちの一つ。 一番しっかり描かれたであろう愛...

誰かを愛するということ、誰かに愛されるということ。二人の姉妹の人生の一部を覗き込みつつ、それぞれの愛の重みを描いたアガサ・クリスティーの名作。 アガサ・クリスティーがもともと違うペンネーム、メアリ・ウェストマコット名義で執筆した6篇のうちの一つ。 一番しっかり描かれたであろう愛はローラとシャーリーの姉妹愛なのだろうけれど、ローラと父母やシャーリーとヘンリーの愛についても描写があっていろんな形の愛があるよなと思いました。ただ、親子愛に関しては『春にして君を離れ』なんかでも触れた話だし、だいぶ軽めだった気もする。 愛以外の描写でいうと、ローラとボールドックの友情に心温まった。

Posted byブクログ

2022/09/18
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※このレビューにはネタバレを含みます

愛の重さ アガサ・クリスティ メアリ・ウェストマコット名義のクリスティ小説⑥ *☼*―――――*☼*――――― 「娘は娘」と結構似てる。主要人物は大体誰かに当てはまった。 ローラがシャーリーのことを過大に愛するのは、本当はやっぱり(原点に戻って)自分自身が1番愛されたかったのだろうなというのが第4部で分かる。と同時に、愛されることって重いなと初めて気付く。 シャーリーがヘンリーのことをあまりよく知らずに結婚してしまったのは、「娘は娘」に続き魔の3週間で結婚を決めたから?(「三」が経過日によく使われる気がする)ローラが結婚に反対していたのは、ヘンリーの内側を見透かしていたのか。出会い当初は口数の少ない一途のイメージが、あっという間に薄情男になった。これが本性。そして離婚を考えた途端、ヘンリーはポリオに罹る。一生涯不自由な身体をシャーリーは見捨てるはずは無い。 第3部でいきなりルウェリンという伝道師の目線に。第2部の後ヘンリーは亡くなり、シャーリーは再婚していたが幸せではなかった。キリスト教の伝道師ということで内容は信じるとか信じないとか、そうじゃなくて「知っている」とかなんとかかんとかで頭に入ってこず。 シャーリーが亡くなり、遺品を届けにローラに会いに行ったルウェリンには未来が見えることがあり、実は幻のローラと会っていた。だからこそ運命の人?のローラは愛せたのか。ローラは愛に飢えてるので愛されたことが愛するきっかけになったのか。 ヘンリーは薬を飲んだことを忘れる(多く飲んだら死に繋がる)、シャーリーは夫に告げずにお酒を飲みに出かけていた(交通事故は故意?)、という少しミステリーもあり。 2022/07/21 読了(図書館)

Posted byブクログ

2021/10/10

アガサ・クリスティーがメアリ・ウェストマコット名義で書いた小説はどれも面白い。人間の本質を突いている。 どの小説にも存在するのが、物語の登場人物を冷静に見て、的確なアドバイスする人物。今回はポールドック氏がその立場のようだが、ボールドック氏の発言にアガサ・クリスティーが考えること...

アガサ・クリスティーがメアリ・ウェストマコット名義で書いた小説はどれも面白い。人間の本質を突いている。 どの小説にも存在するのが、物語の登場人物を冷静に見て、的確なアドバイスする人物。今回はポールドック氏がその立場のようだが、ボールドック氏の発言にアガサ・クリスティーが考えることが凝縮されているように思う。

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2021/04/10

2004年発行、早川書房のクリスティー文庫。解説は馬場啓一(作家)。第二部までは普通(?)の小説。姉妹の愛し方愛され方とそれに伴う人格形成の物語として恐ろしいがとても理解できるお話。第三部は突然高尚な感じのお話が始まったような感じがして唐突に感じる。とはいえその部分が第四部、ラス...

2004年発行、早川書房のクリスティー文庫。解説は馬場啓一(作家)。第二部までは普通(?)の小説。姉妹の愛し方愛され方とそれに伴う人格形成の物語として恐ろしいがとても理解できるお話。第三部は突然高尚な感じのお話が始まったような感じがして唐突に感じる。とはいえその部分が第四部、ラストに繋がる、のだろう。 訳者あとがき 有

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2020/02/17

愛の重さは、愛すること、愛されること、これが同じ重さになるのが理想なのか。親対子、兄弟姉妹、夫対妻、どちらかが一方的に愛するだけでは破たんし、愛されるだけでも、愛するだけでも幸せにはならない。 賢く愛くるしい兄、控え目でおとなしい妹ローラ、両親の愛は兄に傾きがち。妹はそこで葛藤...

愛の重さは、愛すること、愛されること、これが同じ重さになるのが理想なのか。親対子、兄弟姉妹、夫対妻、どちらかが一方的に愛するだけでは破たんし、愛されるだけでも、愛するだけでも幸せにはならない。 賢く愛くるしい兄、控え目でおとなしい妹ローラ、両親の愛は兄に傾きがち。妹はそこで葛藤する。だが兄は病気であっけなく死んでしまう。そこに兄に似た妹が生まれる。また両親の愛は妹に向かう。私は妹の死を願う。が家が火事になり、とっさに妹を助け出したことで、妹への愛に目覚める。 主人公ローラは誰かに愛される事を願いながら、ずっと愛することで人生を生きてきた。親に愛されなかったと思い込んでいるローラ、妹をひたすら愛したローラ、それは不均衡な愛で幸福な結果にはならなかった。最後に愛し愛される男を配し、均衡な愛を授けた。 妹シャーリーの結婚相手、押しが強く悪気はないが不誠実な男、の描写がクリスティの最初の夫アーチボルトを念頭においてるのか。妹に次に思いを寄せる思慮深い旅行家はクリスティの再婚相手の考古学者マローワンを思わせる。 1956発表 2004.9.15発行 2019.7.25第3刷

Posted byブクログ

2019/01/02

原書名:The burden ローラ(一九二九) シャーリー(一九四六) ルウェリン(一九五六) 初めのごとくに(一九五六) 著者:アガサ・クリスティ(Christie, Agatha, 1890-1976、イングランド、小説家) 訳者:中村妙子(1923-、大田区、翻訳家)

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