トランス=アトランティック の商品レビュー
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第二次大戦勃発ゆえに、アルゼンチンに残留したポーランド人文士が、次々と奇人変人に出くわす話。 一つには風刺文学。風刺されるのは頭の固い(?)役所であり、古典を崇拝ばかりしている文壇だったり、著者が今まで嫌な目に遭わされたものを風刺しているというのは簡単に読み取れる。 もう一つに...
第二次大戦勃発ゆえに、アルゼンチンに残留したポーランド人文士が、次々と奇人変人に出くわす話。 一つには風刺文学。風刺されるのは頭の固い(?)役所であり、古典を崇拝ばかりしている文壇だったり、著者が今まで嫌な目に遭わされたものを風刺しているというのは簡単に読み取れる。 もう一つには、文学表現の冒険か。日本語訳では伝わりきらない部分はあるんだろうけど、全編これ破格の文体で、最初は面食らうが、読んでいるうちに独特のリズムに乗せられてくるから不思議。 極限まで戯画化した登場人物たちは、ブッ飛んではいるものの、まあまんざら実在しないとは言い切れないところが苦い笑いを誘う。 まあそういった特徴はあるんだけど、話が面白いかというとさほどでもない。かなあ。
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