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子規百句 の商品レビュー

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2017/01/18

正岡子規は「写生文」というものを提唱し それまでの紋切型を廃して あるがまま、素朴なままの言文一致表現を人々にすすめた そのことが、友人である夏目漱石の思想にも強い影響を与えている イギリスから持ち帰ったロマン主義を脱し 「草枕」の低徊趣味へ至るにおいて 子規との文学議論が、漱石...

正岡子規は「写生文」というものを提唱し それまでの紋切型を廃して あるがまま、素朴なままの言文一致表現を人々にすすめた そのことが、友人である夏目漱石の思想にも強い影響を与えている イギリスから持ち帰ったロマン主義を脱し 「草枕」の低徊趣味へ至るにおいて 子規との文学議論が、漱石の目を開いた可能性は高い ただし、そういったことが逆に 上から目線と思われがちな「観察」になって 文壇の閉鎖性を形成したということも言えなくはあるまい (漱石もその点、自己批判しているようだ) 子規が紋切型を廃しつつも五・七・五にこだわったことは そのように、自由が自堕落と地続きであるということへの懸念を 最後まで捨てられなかったというあらわれではないだろうか さらに言えば彼の文学は 病気から逃れられない不自由に起因するものでもあった この本は、子規の代表句を百句選出し それに松山の現役俳人らが解説を付けたものである ローカル時代の夏井いつきさんが参加してた

Posted byブクログ