間違いだらけの英語科学論文 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
誰が書いたということではなく、訳のみを検討しているので誰でも気楽に読める。 ひょっとしたら自分が書いた文書かもしれないが、書いたものは忘れる質なので、なるほどとうなることが多い。 何が間違いかという視点よりも、どういう文章が相手に意味が通じるかという視点で読むとよい。 最初のaccompanyは、私ならbe accompanied withとするなと思って読み進んだら、 be accompanied byの方が多いというような情報を得られるので参考になる。 英米の人が書いた文章でも、しばしば間違いがあるし、論理的に通らないこともある。 しかし、科学論文という性質上、ネイティブであれ、日本人であれ、相手に通じなければ意味がない。 特に、to, on, of, as のような用語は、ネイティブでないと分かっていないで使うことがあるかもしれない。 to, on, of, asなどの用法は、「新感覚 キーワードで英会話」のDVDや、 「イメージでわかる単語帳 新感覚 キーワードで英会話」の冊子が参考になった。 科学論文を書く際の論理展開にも役立つので、「間違っている」「間違っていない」にこだわらずに、わかりやすさという視点で読むとよいのではないだろうか。 私には、何が誤訳で何が正訳かはわからなかった。 時代時代で、言葉の意味も変わっていくし、人によって用法が違う。物理原則は人からは、ある程度独立して考えることができるが、経済原則は人に依存しているのではないだろうか。 一番最初のdirectedの訳を問題にしているが、「向けられ」でも「方向」でも「ふりむけられ」でも、あまり変わらないような気がする。 ただし、厳密に対象の関係を記述する場合には、意味が違うのかもしれないので、深入りはしない。 逆に、経済学を勉強したり、最初から日本語で書いた場合に、どちらの方が分かりやすいかという視点でみると、竹内訳の方が分かりやすいという印象は受ける。 これらの古典経済学を読む人は、この本を読んだり、原書を読んだりするのがよいことに気がつけば幸せではないだろうか。
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本書は、実際にあった誤った表現を正しく直すという実践的な流れで構成されている。この手のケーススタディはとても重要だと思うが、拠るべき基礎・基本が固まったことを感じてから見たほうが効果的であると思う。一度見通すだけでなく期間をおいて何度か見直すと良いと思う。
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