「行政」を変える! の商品レビュー
「行政」から「市民」主体へ。滋賀知事選を戦った著者が目指した改革への道のりが描かれている。惜しくも知事選には敗れてはしまったが、著者が目指したものは伝わってきたと思う。納税者である私たちが人事としてではなく、自分のこととして主体的に事業の立案や政策の評価に関わる必要があることを感...
「行政」から「市民」主体へ。滋賀知事選を戦った著者が目指した改革への道のりが描かれている。惜しくも知事選には敗れてはしまったが、著者が目指したものは伝わってきたと思う。納税者である私たちが人事としてではなく、自分のこととして主体的に事業の立案や政策の評価に関わる必要があることを感じた。
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斬新な県政改革を行う北川三重県知事を支えた著者による地方行政論。本書を通じて、地方自治の行財政改革に対する情熱を感じました。こういう色々なアイディアを各地の自治体で取り上げることで、草の根の民主主義である地方自治が機能するようになるのではないかと期待してしまいます。古臭い市民運動...
斬新な県政改革を行う北川三重県知事を支えた著者による地方行政論。本書を通じて、地方自治の行財政改革に対する情熱を感じました。こういう色々なアイディアを各地の自治体で取り上げることで、草の根の民主主義である地方自治が機能するようになるのではないかと期待してしまいます。古臭い市民運動とは一味違った、根本的な新しい潮流を是非とも感じて欲しいです。
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財務官僚として三重県に出張し、そこで北川知事の改革を目の当たりにした著者が、財務省を辞め、三重県知事選挙に立候補して落選。その著者の行政改革にかける思いについて書かれている。 要素は以下のとおり。 官に物事を変える力はない。安定こそ最大の力の発揮ポイントなのだ。 ニュージーランド...
財務官僚として三重県に出張し、そこで北川知事の改革を目の当たりにした著者が、財務省を辞め、三重県知事選挙に立候補して落選。その著者の行政改革にかける思いについて書かれている。 要素は以下のとおり。 官に物事を変える力はない。安定こそ最大の力の発揮ポイントなのだ。 ニュージーランドの行政改革は、収益部門と非収益部門に分け、収益部門は民営化する。 大臣は省庁専属ではない。そして、各省から必要なサービスを購入し、行政を行う。事後の評価もある。 行政各機関は国民にわかりやすい事故の業務目標をさだめ公表している。 マトリックス予算を作っている。これは、部局別(たて)の他、課題別(よこ)に表示して分かりやすく表示した予算表。 各部に節減努力を課し、節減した予算の1/2を査定することなく、次年度の新規事業予算として立ち上げるシステムを導入。効果が出た。 予算が余ると「査定が甘かった」との指摘はピントがずれている。 基本理念は住民満足度の向上。 改革は少人数で一気呵成におこなう。 組織を企画、実行、評価に分け、部が各部門の担当となり、局が横断的に施策をカバーする。 総務部の権限を縮小せよ。 行政と民間企業は思ったほど異なるものではない。 情報の公開、分かりやすい説明、サービスの選択、がキーワード。 住民から立候補者にサービス公約を迫るという、あたらしい選挙形態が必要。 情報公開により、逆に無理難題から公務員は解放される。 NPO法人に税制優遇し、税払い行政サービスをうけるか、寄付してNPOのサービスを受け取るか、国民に選択させることも必要。 消費者思考は大切。 民にできることは民で。
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前半はニュージーランドの行政改革に衝撃を受けた筆者が、当時「黒船」などと呼ばれた改革派知事・北川正恭氏のもとで三重県の行政改革を進め、その場で実践したこと、得たもの、さらに後半は行革を一通り終えてから、住民主導の行革をデザイン・推進する団体「WHY NOT」の立ち上げと、その活動...
前半はニュージーランドの行政改革に衝撃を受けた筆者が、当時「黒船」などと呼ばれた改革派知事・北川正恭氏のもとで三重県の行政改革を進め、その場で実践したこと、得たもの、さらに後半は行革を一通り終えてから、住民主導の行革をデザイン・推進する団体「WHY NOT」の立ち上げと、その活動内容などが書かれていました。 三重県は一時NPMの授業を受講して関連書を読んでた時、その中によく登場していたため、「あの改革の背景にはこんな物語があったのか」とちょっと親近感を持ったり… ・行革は手法を導入するだけでは手法に振り回されて消化不良になるだけである。「何のために?」を重ねて議論する必要がある。 これは本書だけでなくNPMに関する本でよく書かれていることである。「縦割り」「前例踏襲」「横並び」といった組織性格が無批判に他自治体や外国の事例を導入する傾向があるためである。 さらに職員からテーマを公募し、重要テーマを決定し解決チームのメンバーを公募、そしてチームを形成することで、企画・立案する機会を設けるという、ボトムアップ手法も薦められている。 ここからわかったことは行革もシステム導入だけではなく、改革を進めるチャレンジャーが必要であること。ここではチャレンジャーは知事の北川氏と著者だといえる。私はこの三重県の事例は、後者の村尾氏が大蔵省から出向してきた身であることが、成功要因の1つであると考えている。 行政組織という保守的な性格で、変革をもたらそうとする人物は異端児扱いされ距離を置かれる、言ってしまえば組織からはみ出される傾向がある。さらに役所なんか一回入ると出ることはなかなかない閉鎖的空間の中では、その変革が軌道にのらなかった・成功しなかったときは「あいつは変なやつだ」レッテルが貼られ続ける。例えば中学校のクラスで変わったことをしようとしても、それが軌道に乗らなかった場合でも何十年も一緒にいなければならないことを考えたら、そういった行動に移せないことは目に見えている。 つまり、チャレンジャーが役所の中で自然と現れることはめったにないのではないかと考えられる。そこで変えていくためには、首長(知事や市長など)や、コンサルタントなど第三者が必要ではないかといえる。 他にもユニバーサルデザインの概念と民主主義など面白い話多数。
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20090918 ニュースゼロ読んでる村尾さんの本。 官僚時代に北川元三重県知事に呼ばれて出向して行革を手伝い、 その後無党派で県知事選に出馬したりのお話。 さすが番組で鳩山兄をぶった切りの切れ者。
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NZの行革1984~ 収益事業/非収益事業;収益事業を政府保有企業/民営化 政策提言部門/サービス提供部門;サービス提供部門を準公共 大臣の契約方式 情報公開と説明責任 ・行革の最大の武器(69頁) カナダの予算査定の6つのテスト 1.公共性 2.公共関与 3.公共部門内の...
NZの行革1984~ 収益事業/非収益事業;収益事業を政府保有企業/民営化 政策提言部門/サービス提供部門;サービス提供部門を準公共 大臣の契約方式 情報公開と説明責任 ・行革の最大の武器(69頁) カナダの予算査定の6つのテスト 1.公共性 2.公共関与 3.公共部門内の役割分担(国、地方) 4.民間委託 5.効率性 6.財源 ○マトリクス予算(40頁) 部門別(縦)、課題別(横) → 政策の簡素化、効率化 ○1/2メリットシステム → 節減額の1/2を査定なし新規事業に ○公共部門の在り方(55頁) ■背景・課題と対応■ 1.価値の多様化 → 豊かな社会づくり 2.グローバル化(ヒト・モノ・カネ・情報) → 地域から国際への対応 ユニバーサルデザイン、補完性の原則(役割分担) 3.民主的な行政 → 情報開示や住民参画 4.民間経済の成長、市場による資源配分への信頼向上 → 従来型行政の悪影響 5.高齢・少子化社会、経済力の低下 → 新たな産業分野の創出 6.国・地方財政悪化 → 歳入・歳出見直し(国民負担率(223頁)) 公開による事業継続・廃止討論(66頁) ・利権ロジックの排除、建設的な議論 事業評価 ・情報公開の自覚 ・決済様式の統一(207頁) 住民満足度(将来世代、生態系…) ○知らしむべし、由らしむべからず(108頁) NPOというより、NLO(Non-Loss Organization) ○「送らず迎えず応じて蔵さず」 荘子 過去の失敗や将来の不安にくよくよすることなく臨機応変に心の中を空にする。 ○「持つ(have)」生き方ではなく、「ある(be)」生き方 エーリッヒ・フロム ○春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて 冷しかりけり 道元
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世の中どうせ変わらない、とみんなが諦めている。これこそが本当の日本の危機だ。 こびない、逃げない、揺るがない。
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目次 第1章 岐れ路―三重県大改革のスタート 大蔵省を飛び出そうか改革者 北川知事との出会い ほか 第2章 「デーモン・ムラオ」と呼ばれて 住民の視点に立つ「マトリックス予算」 前代未聞だった「契約概念」の導入 ほか 第3章 WHY NOT―役所を変えてみようよ! ...
目次 第1章 岐れ路―三重県大改革のスタート 大蔵省を飛び出そうか改革者 北川知事との出会い ほか 第2章 「デーモン・ムラオ」と呼ばれて 住民の視点に立つ「マトリックス予算」 前代未聞だった「契約概念」の導入 ほか 第3章 WHY NOT―役所を変えてみようよ! 既得権益のしがらみを壊せ しらけて終わった会合 ほか 第4章 純粋無党派が挑んだ県知事選挙 知事選出馬を決意 辞表提出とWHY NOT脱退 ほか 第5章 「もうひとつの日本」をデザインする サイレント・マジョリティの声が必要 バランスのよいメンバー構成 ほか
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印象に残ったのは、「官はもう知恵もお金も尽き果てた」という一言。それゆえ、今後は徹底した情報公開のもと、住民自身が公共活動に参画していかなければならなくなるのであり、それによって行政よりむしろ住民の責任が重くなるということになるのだが、行政の限界を実感したこの言葉、大蔵省、県総務...
印象に残ったのは、「官はもう知恵もお金も尽き果てた」という一言。それゆえ、今後は徹底した情報公開のもと、住民自身が公共活動に参画していかなければならなくなるのであり、それによって行政よりむしろ住民の責任が重くなるということになるのだが、行政の限界を実感したこの言葉、大蔵省、県総務部長の経験者のものだけに説得力がある。 http://d.hatena.ne.jp/hachiro86/20080104#p1
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