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センセイの鞄 の商品レビュー

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816件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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これを読んだら、すぐ…

これを読んだら、すぐ恋に落ちやすい若者の恋が汚れているような気もしました。2人のキャラクターのためでしょう。話が全般的にゆったりしているような感じです。命少ない人との恋が切なく伝わってきました。ツキコとセンセイの公園での場面では私の胸もドキドキして一緒に涙ぐみました。

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作者独特の文体で描か…

作者独特の文体で描かれた恩師と生徒の恋物語。二人の個性が会話の中に隅々まで表れていてとても微笑ましく和やかです。作品の中で何度も「センセイ」と呼びかけるツキコさんの切ない気持ちが心を打ちます。

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上手く大人になれなか…

上手く大人になれなかったと感じる胸の痛みが、ストレートに伝わってきます。それでも一人居酒屋で飲むツキコさんは幸せ者だ。

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大人のラヴストーリー…

大人のラヴストーリーだなと思いました。年齢によって感じる事が、変わってくるのかなと思いました。

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儚い、脆い、危うい、…

儚い、脆い、危うい、そんな言葉が相応しい、老年紳士ともう若くはない独身女性の淡い恋が描かれる。特定されない場所、特定されない時間をふわふわと漂うように生きる二人は距離を保ってお互いを補完しあうが、一向に満たされない。二人が交わるためには「中間のようなところ」に行くしかなかった。「...

儚い、脆い、危うい、そんな言葉が相応しい、老年紳士ともう若くはない独身女性の淡い恋が描かれる。特定されない場所、特定されない時間をふわふわと漂うように生きる二人は距離を保ってお互いを補完しあうが、一向に満たされない。二人が交わるためには「中間のようなところ」に行くしかなかった。「中間のようなところ」とは?

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最高にイイです!

「恋愛=激しいもの」ではない。静かに流れる時間……しみじみと酒を呑み、月と花を愛で、肴をつつく時間を重ねて、育まれていく「センセイ」と「ツキコさん」の想い。切なくも愛しい気持ちを呼び覚ます物語。

yoko

2025/02/13

なんだか、言語化できない不思議さ、読み味でした……。 面白かったし、色々と思いをはせることもありました。

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2025/02/11

学校の授業で「神様」が取り上げられ、川上弘美さんの作品をそのとき初めて読みました。文章になんとなく惹かれるな、という印象で、Xでたまたまこの本をオススメしている人を見かけたので、買ってみました。 感想ですが、温かくて少し甘酸っぱくて美味しかったです。嫉妬の描き方も、自分がまだ子供...

学校の授業で「神様」が取り上げられ、川上弘美さんの作品をそのとき初めて読みました。文章になんとなく惹かれるな、という印象で、Xでたまたまこの本をオススメしている人を見かけたので、買ってみました。 感想ですが、温かくて少し甘酸っぱくて美味しかったです。嫉妬の描き方も、自分がまだ子供なのでしょうか、分かりませんが、共感できるところが多々ありました。特に言うことも無いのに、「センセイ」と呼ぶ。センセイも、特に聞き直したりはしない。2人はわかっている。その空気感が愛おしいです。 それと、主人公の「はあ」が好きですね。

Posted byブクログ

2025/01/15

うっかり先に数分小泉今日子と柄本明の映画を観てしまって、小っ恥ずかしい気持ちを抱いてしまって敬遠していたけど、江國さんのエッセイに出てきたので読んでみた。 やっぱり川上弘美の手にかかると落ち着いた、どこか浮世離れした雰囲気が醸し出されて読みやすかった。最後のためにある小説だと感...

うっかり先に数分小泉今日子と柄本明の映画を観てしまって、小っ恥ずかしい気持ちを抱いてしまって敬遠していたけど、江國さんのエッセイに出てきたので読んでみた。 やっぱり川上弘美の手にかかると落ち着いた、どこか浮世離れした雰囲気が醸し出されて読みやすかった。最後のためにある小説だと感じた。 二箇所、特に印象深かったところを抜粋 ✳︎それで、外に出た。通りに出て、生きているのは自分だけではないことを、生きて心細い思いをしているのは自分だけではないことを、確かめたくなった。しかし通る人の姿かたちを見ているだけでは、そんなことは確かめようもないのだ。 ✳︎年齢と、それにあいふさわしい言動、小島孝の時間は均等に流れ、小島孝のからだも心も均等に成長した。  いっぽうのわたしは、たぶん、いまだにきちんとした「大人」になっていない。小学校のころ、わたしはずいぶんと大人だった。しかし中学、高校、と時間が進むにつれて、はんたいに大人でなくなっていった。さらに時間がたつと、すっかり子供じみた人間になってしまった。時間と仲よくできない質なのかもしれない。

Posted byブクログ

2025/01/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

⚫︎感想 表面的にはツキコさんは淡々とした性格だが、だからこそ、センセイに対する静かで熱い思いが際立った。物語に通底するしっとり感が「蛇を踏む」の作風を思わせ、よかった。 ⚫︎本概要より転載 センセイ。わたしは呼びかけた。少し離れたところから、静かに呼びかけた。 ツキコさん。センセイは答えた。わたしの名前だけを、ただ口にした。 駅前の居酒屋で高校の恩師・松本春綱先生と、十数年ぶりに再会したツキコさん。以来、憎まれ口をたたき合いながらセンセイと肴をつつき、酒をたしなみ、キノコ狩や花見、あるいは列車と船を乗り継ぎ、島へと出かけた。その島でセンセイに案内されたのは、小さな墓地だった――。 40歳目前の女性と、30と少し年の離れたセンセイ。せつない心をたがいにかかえつつ流れてゆく、センセイと私の、ゆったりとした日々。切なく、悲しく、あたたかい恋模様を描き、谷崎潤一郎賞を受賞した名作。

Posted byブクログ