熱情 の商品レビュー
八歳の幼さで芸者の道に入り、十九歳で田中角栄と出会う。以来、角栄の死まで実に四十七年間にわたって一途に尽くし続けた和子氏の人生の記録。 田中角栄という人物に以前から興味があって、いろんな角度から書かれた本をたくさん読むことにしている。政治については全く詳しくないので、記者や評...
八歳の幼さで芸者の道に入り、十九歳で田中角栄と出会う。以来、角栄の死まで実に四十七年間にわたって一途に尽くし続けた和子氏の人生の記録。 田中角栄という人物に以前から興味があって、いろんな角度から書かれた本をたくさん読むことにしている。政治については全く詳しくないので、記者や評論家、政治関係の人が書いた本は歴史の教科書を読んでいるようでなかなか理解が追いつかない。一方で田中角栄を支えた女性たちの本は、どれも彼に対する深い愛情と、自分がずっと彼を支えてきたのだという強い自負の念が溢れていて読みやすい。「支えた」と書いたけれど、彼女たちはみんな本当に芯が強くて、魅力的に思える。愛する相手に自分だけを見てほしいという気持ちもきっとあったに違いないけれど、それを殺して(寂しい、辛い、という感情は本文中にはほとんど出てこないけれど、いくつか抜粋される彼女たちの日記にはそういう思いがところどころ滲み出ている)、田中角栄のそばにいるという選択をし続けた。その強さがあったからこそ田中角栄も彼女たちを愛し、必要とし、そばにいてほしいと願ったのだと思う。 物静かであまり表に出ることを好まなかったという正妻。負けん気が強く、政治家として上り詰めていく田中角栄の実務的な相棒であった秘書。十代で田中角栄を「旦那」として迎えて以来ずっと一途に彼を想い続け、心の拠り所として陰で支え続けた芸者。本当に三人とも全く違うタイプだなあ。
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佐藤昭子さんの本を読んで 角栄が二人も子供をもうけた女性とはどういう人で どういう家庭像なのか見たくなり読んでみた こちらも一般的な家庭とはかけ離れていた 愛人と言われているが、きっちり花柳界を引退させての ごくごく一般家庭を想像していたら大所帯だった 甲斐甲斐しい、家庭的な女性を想像していたら どちらかというと自立型 何でもおかあさんにしてもらう、ある種お嬢様のような 無垢という感じ 政治のことはまったく知らない おかあさんの方が詳しいような感じ 三木にやられた アメリカの方から(だか、アメリカからだかアメリカがだか) 盗聴器が目白にもこちらにも付けられてる この辺が収穫 この後、ロッキード関係2冊行く予定
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田中角栄の愛人の一人だった、神楽坂の芸者さんの手記。角栄との間に二人の子供をもうけた。 政治の世界にはかかわらなかったため、そっち方面の記載はほとんどなく、出会いから角栄が「旦那」になり、子供をもうけ、そして角栄の死で別れるまでの私生活面が中心の記載。角栄の人間臭さがわかる本であ...
田中角栄の愛人の一人だった、神楽坂の芸者さんの手記。角栄との間に二人の子供をもうけた。 政治の世界にはかかわらなかったため、そっち方面の記載はほとんどなく、出会いから角栄が「旦那」になり、子供をもうけ、そして角栄の死で別れるまでの私生活面が中心の記載。角栄の人間臭さがわかる本である。角栄の話以外にも、当時の神楽坂の花柳界事情がわかり、風俗本としても面白い。この後、引き続き「昭 田中角栄と生きた女」を読むつもりなので、これにより角栄の女性関係がかなりつかめるのでは、と期待している。もっともそれを知ったからと言って何になるわけでもないのだが・・・。
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本の帯には「角栄の物心を支え、すべてを許した芸者が初めて明かす『生の角栄』!」「東京・神楽坂の超売れっ子芸者が、角栄に見初められ、人生を共にすることを決意。二男一女をもうけ、誰より身近で寄り添ってきた大宰相との日々と女の意気地を語る!」とある。 田中角栄に関する書籍は、いまなお出...
本の帯には「角栄の物心を支え、すべてを許した芸者が初めて明かす『生の角栄』!」「東京・神楽坂の超売れっ子芸者が、角栄に見初められ、人生を共にすることを決意。二男一女をもうけ、誰より身近で寄り添ってきた大宰相との日々と女の意気地を語る!」とある。 田中角栄に関する書籍は、いまなお出版され続けているが、そうしたなかでも異色の1冊であることは間違いない。
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角栄の二号さん芸者の書いた、日記のような本。言葉遣いがていねいで、読んでいて気持ちいい。 子どもが生まれてからの展開が非常に早くて戸惑う一瞬もありつつ、角栄への愛が未だにあふれていて、酒を飲みながら読んでいるとほろりとしてしまう場面もいくつか。 とくに、検察から帰ってきて憔悴しき...
角栄の二号さん芸者の書いた、日記のような本。言葉遣いがていねいで、読んでいて気持ちいい。 子どもが生まれてからの展開が非常に早くて戸惑う一瞬もありつつ、角栄への愛が未だにあふれていて、酒を飲みながら読んでいるとほろりとしてしまう場面もいくつか。 とくに、検察から帰ってきて憔悴しきっていたとき、「つらかったあ」と泣いてしまう角栄は秀逸。読後感のいい本でした。
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20/8/13 角栄、モットー>用意周到、即断即決、その場で対処 岩もあり 木の根もあれど さらさらと たださらさらと 水の流るる
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