記憶の小瓶 の商品レビュー
なんたって「ドブに落ちたこと」が一番面白いのだが、「陽だまりのうんざり」に始まる幼稚園、小学校の気だるい思い出も読み応えがある。読み応えありすぎて、なんだか悲しくなるぐらい。 高楼さんに共感したり感心したりしながら、未だに成熟していない自分に気づかされる。 そのために日々起こる、...
なんたって「ドブに落ちたこと」が一番面白いのだが、「陽だまりのうんざり」に始まる幼稚園、小学校の気だるい思い出も読み応えがある。読み応えありすぎて、なんだか悲しくなるぐらい。 高楼さんに共感したり感心したりしながら、未だに成熟していない自分に気づかされる。 そのために日々起こる、泣きたくなるような出来事のたびに、このエッセイを思い出して少し救われるのだ。 例えば私は、幼稚園児が大声を合わせる類のお遊戯会や挨拶が大嫌いだが、そこには高楼さんが味わった「うんざり」によく似た悲しい記憶があるからかもしれない。 幼稚園や小学校で味わったぽつねんとした退屈さや情けなさは、この「みんなで声を合わせて」に象徴される数多のデリカシーのなさに起因する、気がする。 そういえば小沢健二さんが幼稚園での合唱に発狂してそのまま幼稚園をやめたというエピソードがあるが、そりゃそうだよなあ。
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大好きな児童文学作家さんのエッセイ。1才半くらいの記憶って、誰に話してもわかってもらえなかったりしたのですが、ここでさらっと語ってあって、とても嬉しかったです。
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こどもの本を書く資質のある人は、子供時代のことを覚えている人・・・というようなことを言ったのは誰だったか。高楼さんはまさにそういう人でした。 おもに3歳から8歳まで、官舎で暮らした日々の中から記憶にのぼったエピソードを紹介しているのだけれど、よくこんなことを覚えているものだとびっ...
こどもの本を書く資質のある人は、子供時代のことを覚えている人・・・というようなことを言ったのは誰だったか。高楼さんはまさにそういう人でした。 おもに3歳から8歳まで、官舎で暮らした日々の中から記憶にのぼったエピソードを紹介しているのだけれど、よくこんなことを覚えているものだとびっくり。 そこには他の子が大笑いすることでも、自分は身の毛がよだつほど嫌なことだったことや、教室に貼ってある絵や作文の詳しい内容を覚えていたり、そうじゃないんだ!とやきもきすることだったりする。 ・・・まてよ、こんなに仔細に覚えていられるものか、じつは創作ではないのかと、疑ってみました。でも、あとがきに1歳の情景まで書いてあって、恐れ入って疑うのをやめました。子供の時の記憶がこんなにも鮮明なひとがいるのです!そこはかとないユーモアは、絵本や児童文学の作風のまま、上質なエッセイになっていました。もっと大人に読まれてもいいのにな。 作者は、これを読んだひとが、自分の幼年時代の記憶を呼び覚ましてくれたら、といいます。そういわれれば、読んでいると自分の記憶も(私の場合はまるで切れ切れですが)よみがえってきます。ふと、そういう時間はこれからの人生の中で、大切になるのかもしれないと思いました。
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高楼方子さんといえば、「へんてこもり」シリーズ「まあちゃんのながいかみ」というイメージで、なんとなく可愛らしいおばあちゃんに近い方だと想像していた。 ところが、講演会に行って、方子さんのかわいらしさにびっくりした。 そして、なるほど、この可愛らしい方から、これらのお話が生まれてき...
高楼方子さんといえば、「へんてこもり」シリーズ「まあちゃんのながいかみ」というイメージで、なんとなく可愛らしいおばあちゃんに近い方だと想像していた。 ところが、講演会に行って、方子さんのかわいらしさにびっくりした。 そして、なるほど、この可愛らしい方から、これらのお話が生まれてきたんだなと思った。 まあ、そういうわけで、私が持っているこの本は、サイン本である。なんて、どうでもいいことだけど。 この本を読んでいると、方子さんの狙い通りに、自分の幼い頃のことがじんわりと思い出される。 相撲をとっていたつもりが、砂の投げ合いになったこと、紫陽花の間からカタツムリを探したことなど。 そして、方子さんのいろんな感じ方と、方子さんの作品がどこか繋がった気がする。
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大好きな高楼さんの子ども時代のエッセイ。 2歳の時の記憶や1歳の時の記憶が断片的でも残っているのがすごいです。 高楼さんの不思議作品はこのような子ども時代のエッセンスがちりばめられてるのかなあって思います。 それにしても、1年生の時の担任っていやなやつ!って思いました。
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誰もが持っているようで 誰とも違う小さな記憶 そんな淡く消えてしまった物語が ほんの少しだけ浮かび上がってくる
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児童文学界きってのストーリーテラー高楼方子(たかどのほうこ)のルーツが察せられる面白いエッセイ集だ。 かつて講演のなかで聞いた子ども時代の話。 中学生だった高楼さんは「飛ぶ教室」を読んでいて、その面白さにはまった。そして、この面白いお話はケストナーというおばさんがいなければ、...
児童文学界きってのストーリーテラー高楼方子(たかどのほうこ)のルーツが察せられる面白いエッセイ集だ。 かつて講演のなかで聞いた子ども時代の話。 中学生だった高楼さんは「飛ぶ教室」を読んでいて、その面白さにはまった。そして、この面白いお話はケストナーというおばさんがいなければ、この世には存在しなかった世界なんだ!という事実が閃光のように自分に衝撃を与えた。そう語られた。その時にも、なるほど。物語というものの魔力を知っている方だからこその作品群だよな、と、高楼さんの世界のルーツに繋がる糸を掴んだ気がしたものだ。 でも、この数々の幼児期の瞬間を切り取った記憶を知ると、さらに根元的なところまで糸が繋がってくる。 無論、ひとつ一つのエピソードは普通に読んでも趣のある楽しい話だ。そしてそれ以上に「物語に傾倒しなければならなかった彼女」の繊細にして冷徹な大人達への目にも気付くことになる。
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たかどのほうこさんのエッセイというので 思わず手にとって家に連れて帰りました。 たかどのさんといえば、 「まあちゃんのながいかみ」の作者さんです。 あの面白い絵本を書いた人の 幼少時代のエッセイとなれば 読まずにはいられません。 おまけに、この装丁のステキなことといったら!...
たかどのほうこさんのエッセイというので 思わず手にとって家に連れて帰りました。 たかどのさんといえば、 「まあちゃんのながいかみ」の作者さんです。 あの面白い絵本を書いた人の 幼少時代のエッセイとなれば 読まずにはいられません。 おまけに、この装丁のステキなことといったら! たまりませんねぇ。 たかどのさんは、この本を読みながら それぞれの子供時代を思い返してもらえたら・・・・と 書いていらっしゃるのですが、 そのとおりに、読んでいると自分の子供の頃の記憶が ゾロゾロと思い出されてきて、なんともキュンとした気分でした。 このエッセイの最初の項は、 たかどのさんがドブに落ちた話なのですが、 これは、なかなか奥が深くハッとさせられます。 ただ・・・・・ 最初のエピソードが一番面白く、後ろに行くほど・・・・になります。 そんなにネタは無かった・・・ ということでしょうか(苦笑)
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人の幼少期の話は自分の幼少期の記憶を呼び覚ます。私より16歳年上の著者と共通する部分は少ないが落ち着いた気持ちで読めた1冊。
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