理系のための企業戦略論 の商品レビュー
イノベーションに関する一般論に始まり結論ありきのデータ収集。そして提示するのは理想論。どこをとっても異論を挟むところも新たな洞察を得るところもなく、あぁはいはいそうですねという頷く以外の言葉は出てこいない。『独創的なチームには異質な人類が必要であることが、一社を対象にしたアンケー...
イノベーションに関する一般論に始まり結論ありきのデータ収集。そして提示するのは理想論。どこをとっても異論を挟むところも新たな洞察を得るところもなく、あぁはいはいそうですねという頷く以外の言葉は出てこいない。『独創的なチームには異質な人類が必要であることが、一社を対象にしたアンケートで判明しました!』とか『自主開発率を特許出願数で計算しました!』みたいな学生レベルの調査報告は読んでいて恥ずかしくなる。勿論、世間一般で当たり前と思われてることをちゃんと調べてみることは重要ではあるが、大切なのは疑いをもった調査であり、結論ありきでは意味がない。「言うまでもないが」とか「当たり前のようであるが」とかいう記述が多いのは、せめてもの良心…ではなくて単なる言い訳だなぁ。 初版は10年前。恐らく大学でMOTの授業やるために出版された一冊だろうが、今はちゃんとした本が使われていることを願うばかり。
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