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中国権力者たちの身上調書 の商品レビュー

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2013/08/23
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※このレビューにはネタバレを含みます

中国の第4世代指導者がどのようにして選ばれるのか。政治局常務委員の上位者が推薦しつつ選んでいく過程は勿論闇の中ではありますが、この本は宋海仁の名で出版された本を米国の中国政治専門家ネイサンが翻案して書いた本です。確実な資料だとすれば、実に興味深いものです。ネイサンは「毛沢東に私生活」「天安門文書」にも関係があった人だとのこと。そして胡錦濤、温家宝(首相)、曾慶紅(書記、国家副主席)という3大実力者をはじめ、これからの中国を背負っていく人たちの人となり、思想を明らかにしています。会社の取締役の顔ぶれを見るような気がします。そして印象深かったのは引退した第3世代リベラル派の李瑞環(全国人民政治協商会議主席)が政治改革を訴え、民主選挙を主張していたとのこと。彼が米国の政治を賞賛している文章は印象的です。「米から学ぶことは多い。彼らは大統領を非難できるが、一般庶民の名誉を傷つけることは許されない。我々は腐敗を抑止できないが、米ではスキャンダルはあっても、中国のように賄賂を要求する者はいない。彼らには厳しい規制装置と司法体制が完備されているからだ。」そして今でも李瑞環は影響力があるというのです。これからの中国がどのような方向を進むのかのヒントにもなる本です。第3世代間での江沢民と李瑞環の確執についての記述は面白いです。江沢民、李鵬への書き方はちょっと気の毒なくらいです。

Posted byブクログ