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一葉からはじめる東京町歩き の商品レビュー

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2020/04/30

文学に描かれた東京の町を、じっくり歩いて見ようという本だ。たた、いわゆる「文学散歩」とはちょっと違った視点で。そこにとても充足感がある。 「町というものは目の前にある現実の姿と同時に、文学や絵画などに残されたイメージによっても成り立つ空間なのです。」 いい作品が選ばれ、少し長めに...

文学に描かれた東京の町を、じっくり歩いて見ようという本だ。たた、いわゆる「文学散歩」とはちょっと違った視点で。そこにとても充足感がある。 「町というものは目の前にある現実の姿と同時に、文学や絵画などに残されたイメージによっても成り立つ空間なのです。」 いい作品が選ばれ、少し長めに引用してあるので助かる。また、その作家についてもきちんと紹介されているので、ありがたい。その作家が歩いただろう道をあるくのだから、作家を知るとその町のイメージを膨らませることができる。 特に、上野から根津、本郷といった地域がとても充実している。 私事だが、文学散歩をしてみようと、計画することがあるのだが、近代文学者としては、漱石以外の人はだんだん読まれなくなっているようで、組み立てが難しい。文学散歩はやりにくくなってしまった。

Posted byブクログ