アガサ・クリスティー自伝(下) の商品レビュー
ミステリーの女王アガ…
ミステリーの女王アガサクリスティーの自伝の後半部。大論争を巻き起こした「アクロイド殺し」や離婚から二度目の結婚まで波瀾万丈の人生を描く。
文庫OFF
2021年に読んだ&読む既刊の、まずベスト1だろうなー。 私、前世は1910〜20年代のイギリス人だったよ、きっと。『メアリー・ポピンズ』に始まり『ダウントン・アビー』も『ダロウェイ夫人』も漫画『エマ』も心をつかんで離さない。なんで今までクリスティーにハマらなかったのか。...
2021年に読んだ&読む既刊の、まずベスト1だろうなー。 私、前世は1910〜20年代のイギリス人だったよ、きっと。『メアリー・ポピンズ』に始まり『ダウントン・アビー』も『ダロウェイ夫人』も漫画『エマ』も心をつかんで離さない。なんで今までクリスティーにハマらなかったのか。この年になるまで待っててくれたのか。 『さあ、あなたの暮らしぶりを話して』に書店の旅コーナーで出会って魅了され、自伝に進んだが、読んでる一瞬一瞬が幸せだった。 裕福な家に生まれ、破産、戦時の結婚、離婚、13?も年下の考古学者との再婚、執筆と中東での発掘の日々…思い出すままにあちこち書き連ねたこの自伝、ゆったりしたペースと、イギリス人らしく控えめな感情表現&ユーモアで、目まぐるしいクリスティーの人生を一緒にたどっていける。 彼女の人生を幸せにしているのは、類まれな才能とともに、豊かな愛情に恵まれたことですね。幼少期の家庭も、後半生を共にした夫も本当に愛が深い。それに謙虚に感謝する心がまた美しい。 描写については、衣食住、あらゆる細部が楽しいが、私がつねに心惹かれるのは…やっぱり使用人。本人も当時の使用人たちがいかに誇りあふれるプロフェッショナルであったかを語っている。もちろん平等と自由は何より尊重されるべきだし、陰惨な話もたくさんあったろうけど、『ダウントン』しかり、しっかり保護されて自分より貴重なものに使える労働は、今の時代にはない幸せだったんじゃなかろうか〜。 やっぱ前世はあの時代のイギリス貴族じゃなくてメイドかなw さて、忘れ去ったもの、未読のもの、クリスティーの作品は幸い山ほどある。生涯かけてゆっくり読みましょうぞ。
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アガサクリスティの経験、推測で生まれてくる登場人物たちの原点が、 自伝の中にたくさんあることが分かった。 物語の中の主人公、登場人物と、アガサクリスティの性格の似た点の背景が分かった。 感情移入しすぎずに、たんたんと書かれた自伝は、資料としては貴重だ。 アガサクリスティ解説を書く人には必須の材料だ。 上を読み飛ばしながら進んだので、 アガサクリスティの本を全部読み終えたら、 もう一度、上から読みなおそうと思う。
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