娘は娘 の商品レビュー
若くして夫を亡くし育てた一人娘も19歳になった。そこに再婚してもいいかと思う男性が現れた。ところが娘と男性はそりが合わない。娘は全力で男性を排除しようとする。男性には娘と自分とどちらを択るのか?と選択を迫られ、娘を選ぶ。まるで一人息子を争う嫁姑のような会話が展開される。 また女...
若くして夫を亡くし育てた一人娘も19歳になった。そこに再婚してもいいかと思う男性が現れた。ところが娘と男性はそりが合わない。娘は全力で男性を排除しようとする。男性には娘と自分とどちらを択るのか?と選択を迫られ、娘を選ぶ。まるで一人息子を争う嫁姑のような会話が展開される。 また女性が間にはさまり対立が異性という点では婿取り娘対実母と婿。これも間にはさまる娘は大変。自分がこの立場なので、対立相手は娘ではなく実母だが、この小説の未亡人アンが娘と愛する男との間にはさまり神経が摩耗する会話が実にリアルに響いてきて、読むのがつらくなるほどだ。 娘は母親が相手の男性を好きな事に気づかないし気づいてやる余裕も無い、という描き方だが19歳ならそうなのかなあ。あるいはクリスティ自身の再婚あたりの実情はどうだったのか。 娘は娘、A Daughter's a Daughter's 娘のために自分のしたいことを犠牲にした と思い娘のあやうげな結婚にも親身にならない。娘は相談した時否定して欲しかった、と最後に言っているが、修羅場とはこういうことか。 1952発表 2004.8.31発行 1018.7.25第3刷
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親は子供にうるさく思われるくらいがいいのかもと思った。 放っておいても取り返しのつかないことは 実はそんなには無くって大体上手くいくものなのかもしれないが、 行動することで回避できるならそれに越したことはない。
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ローラが!ローラが!かっこいいっ!! んー、なんとも言えないこの家族関係。 ぼくも、自分の親子関係と照らし合わせて読んでいました。 この親子がしていることを普段何気なくしている人っていますよね、ぼくはわざとすることがありますが。
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- ネタバレ
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アガサクリスティの3つの面がみごとに3人の女性として描かれているように思われる。 まず、未亡人の母親。 再婚をめぐる心の葛藤。 死別ではない、アガサクリスティからは、一番遠い性格のように見受けられる。 未亡人の母親の娘。 わがままだけど、反面大人びた考えの持ち主。 最後は、幸せを選択できるところは、一番アガサクリスティに似ているかもしれない。 未亡人の母親の友人。 著名人で、仕事上はアガサクリスティに一番近い役回り。 考え方、発言も、公式のアガサクリスティの言いたいことを代弁している。 それでも、未亡人の母親の性格の中に、ひょっとしたらアガサクリスティらしさが 織り込まれているような気がしたのは、設定のうまさだろうか、表現のうまさだろうか。 自分が選ぶアガサクリスティのベスト10に入れたい。
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ノン・ミステリーシリーズ。 母と娘という、一種異様な独特の関係を描いた作品。 憎むのも、煩わしく思うのも、心配するのも、反発するのも、愛しているからなんだと強く思いました。 読んでいる間、苦しめられ、振り回され、のたうちまわり、ラストは涙が止まりませんでした。
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私も娘がおりますが、一人娘でなくてよかった。 母と娘一対一だと密着ぶりが半端ないだろうと予測できます。 憎みあうときは際限なく、かといって娘は娘、やはり可愛いのです。
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若くして夫と死別したアンは、持てる愛情のすべてを注いで一人娘セアラを育ててきた。だが再婚問題を機に、二人の関係に亀裂が。
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メアリ・ウェストマコット名義のクリスティの作品は、読み返すほどに味が出てきます。読むたびに新たな発見があり、そこから自分の考え方が分かってくるというか。最初に読んだころから随分違う印象を持つようになりました。母と娘、愛しているからこそどんな犠牲も払う。それを決めたのは自分なのに、...
メアリ・ウェストマコット名義のクリスティの作品は、読み返すほどに味が出てきます。読むたびに新たな発見があり、そこから自分の考え方が分かってくるというか。最初に読んだころから随分違う印象を持つようになりました。母と娘、愛しているからこそどんな犠牲も払う。それを決めたのは自分なのに、相手を恨めしく思ってしまう瞬間があるのです。その気持ちが段々胸に溜まっていって、自分でも訳のわからないモヤモヤになって・・・。ミステリの女王は人間観察の女王でもありますね。イーディスやデーム・ローラの台詞を読んでいると、目の前にクリスティがいたら心の奥底まで見抜かれそうな気がしてきます。
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