後鳥羽院 の商品レビュー
和歌なんて掛詞だの縁後だの本歌取りだの仕組みを理解するだけでも大変で、ましてやそれを批評するともなると、そこにさらに第三者の視点が入り込んでくるわけで、その解釈もまちまちで、肝心な純粋に楽しむところまで辿りつけないのが実際だったりしてうたてしやな。 で、この本、まだ前半しか読ん...
和歌なんて掛詞だの縁後だの本歌取りだの仕組みを理解するだけでも大変で、ましてやそれを批評するともなると、そこにさらに第三者の視点が入り込んでくるわけで、その解釈もまちまちで、肝心な純粋に楽しむところまで辿りつけないのが実際だったりしてうたてしやな。 で、この本、まだ前半しか読んでいないのだけれどもこれがおもしろい。丸谷才一の解釈文は、その時代はもちろん和歌とその手法の流行、定家との関係、そして後鳥羽院自身の置かれた状況といった史料を惜しげもなく披露することで、そこに立ち上がってくる後鳥羽院が詠まれた心持ちが描かれている。これだけ外堀ガッツリ固められたら情景が眼に浮んできてその解釈も実に確固たるものとなる。ここんとこが実に巧い。 そんなふうにして描かれた後鳥羽院は、ほんとうに見事な歌人だなっていうのが分かってくるんだけども、むしろ人間としてもほんとうに愛らしく思えてくる。そしてそれはたぶん、和田誠による装丁に描かれた、後鳥羽院の表情も相当効いているからに違いない。
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歌の解説だけです いやー、後鳥羽さんの歌を勉強したければお勧めです ただ、歌分からないと地獄です(笑)
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