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海浜の午後 の商品レビュー

3.6

12件のお客様レビュー

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2024/09/08

海辺の午後 クリスティの短編戯曲集 海辺の午後 昔から裕福な人達が過ごして来たビーチ。時代の流れで海辺を訪れる人達も様変わり。 古い時代の夫婦や家族が時間を過ごすビーチにビキニを着た非常識な美女が現れ男達を魅了、女達は反感を抱く(時代を感じる描写)。 一方、付近では盗難事件が発生...

海辺の午後 クリスティの短編戯曲集 海辺の午後 昔から裕福な人達が過ごして来たビーチ。時代の流れで海辺を訪れる人達も様変わり。 古い時代の夫婦や家族が時間を過ごすビーチにビキニを着た非常識な美女が現れ男達を魅了、女達は反感を抱く(時代を感じる描写)。 一方、付近では盗難事件が発生、エメラルドなど高価な品物が盗まれてしまう。 古き時代を引きずりながらビーチで余暇を楽しむ人達と美女と警察のドタバタ劇。ミステリー的な要素は多く無いが、クリスティ得意の「オールドミス」が牛耳る家族(立場の弱い夫、束縛される息子)や若い二人の男女等、設定は面白い。 今の時代背景から見るとコメディの様に見えてしまうが、少なからず当時もそういった要素があった戯曲だとおもわれ、バランスが変わっても楽しく読める作品だ。いつの時代も若者は革新的で年寄りは保守的だと分からされる作品だ(笑) 患者 私立療養所の個室から始まり、とある屋敷へ。 ウィングフィールドの妻がバルコニーから転落し、意識が戻らない状態。家族は事故と捉えているが、警察が介入し真実を調査していく。 情事のもつれが原因と考えられるが、怪しい人物は数人おり、誰が犯人かを探る人間活劇。 正直、ありきたりな設定かもしれないが、最後まで誰が犯人か、そして最後、犯人が決定づけられてフォーカスされていく舞台の進め方がとても面白い。 クリスティでも良くある設定の様に思えるが、必ず何処かに驚きがあるのは彼女の短編作品にも共通している。犯人はこいつだろうと疑ってかかり、結局裏切られるのはいつもの事だ(笑)。 ねずみたち サスペンスミステリ。クリスティによる恐怖ミステリの傑作だろう。密室に男女二人。体の関係もあり不倫関係にあるが、密室のなかで徐々に人間性が現れていく。最後、リドルミステリーの様な形になるが、結局はどういう事なのだろう。中編の一部分を切り取った様な作品で、できれば推理小説として読みたい一作だった。 作中に登場人物は五人しか出てこないのに圧倒的に面白く、謎が残ったまま、陰鬱な感じで終わっていくのも魅力的だ。 劇として進めていくとおそらくかなりシンプルになるだろうが、初めてどの様な舞台になるのか気になった。

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2024/07/17

【戯曲】 戯曲の短編集3作品。 ただでさえ短い戯曲なのに、233ページの中に3作品もある。サクッと読める。 短いのにひねりがあって、予想外の展開が楽しめる。 特に『患者』が面白かった。 舞台で観たらもっとドキドキして楽しめそう。 ◆あらすじ バルコニーから転落した後遺症で、...

【戯曲】 戯曲の短編集3作品。 ただでさえ短い戯曲なのに、233ページの中に3作品もある。サクッと読める。 短いのにひねりがあって、予想外の展開が楽しめる。 特に『患者』が面白かった。 舞台で観たらもっとドキドキして楽しめそう。 ◆あらすじ バルコニーから転落した後遺症で、口も聞けなくなった女性に医師がある実験をすると… 解説の柳原慧さんは、クリスティーで1番好きな作品は『ホロー荘の殺人』だと書いてあった。 私もちょうど前日に『ホロー荘〜』を読んでNo.1だとレビューしたので、タイミングが良くて驚いた。 『ホロー荘の殺人』は有名ではないし、そんなに1番に選ばれそうにない作品なのに、同じ気持ちの方に解説で出会えてすごく嬉しかった。

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2024/07/07

海辺の午後 患者 ねずみたち の3編からなる戯曲集。 中でも面白かったのは『患者』 予想とは違ったラストにビックリ。人物の紹介の仕方も上手いなと思いました。 わがままを言うならば、戯曲集ではなくて、小説として読んでみたかったです。

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2024/06/16

アガサ・クリスティーの戯曲三編。舞台をやるなら最後にどんでん返しがいいんだろうなと思ってたけど、『ねずみたち』は段々と追い込まれていく流れで、これはこれで見応えがありそうだと感じた。

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2023/10/01

 戯曲3編収録。 〇「海浜の午後」  読んでいると少し登場人物がワチャワチャしている感じがするが、おそらく舞台では人物の出入りがはっきりするので、あまり気にならないのだろう。  過保護の青年の恋愛話など全体にユーモラスなものにしようとしているのだろうが、ラストはあまりスッキリしな...

 戯曲3編収録。 〇「海浜の午後」  読んでいると少し登場人物がワチャワチャしている感じがするが、おそらく舞台では人物の出入りがはっきりするので、あまり気にならないのだろう。  過保護の青年の恋愛話など全体にユーモラスなものにしようとしているのだろうが、ラストはあまりスッキリしない。 〇「患者」  転落して動くことも口をきくこともできなくなった患者。事故なのか、自らの意思で落ちたのか、それとも犯罪か。警察は医師の協力により、ある実験によってその真相を明らかにしようとする。 〇「ねずみたち」  何者かによりアパートの一室に誘い出された男女。誰が自分たちをここに呼んだのか、またその目的は何か。動機というか目的にはやや強引なところがあるが、追い詰められていくサスペンスが良くできていると思う。上手い役者が演じれば、観ていて面白いのではなかろうか。

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2020/01/29

「海浜の午後」あるリゾートの砂浜。中年の夫婦。夫婦に若い男の3人連、気の強い母親に従順な青年の息子。そこにビキニ姿の美女が現れ男性は皆見とれ言葉を交わそうとする。 そこに近くのホテルでエメラルドのネックレスが盗まれたと警部が検査にやってくる。皆見た目通りではない裏の姿があった。ひ...

「海浜の午後」あるリゾートの砂浜。中年の夫婦。夫婦に若い男の3人連、気の強い母親に従順な青年の息子。そこにビキニ姿の美女が現れ男性は皆見とれ言葉を交わそうとする。 そこに近くのホテルでエメラルドのネックレスが盗まれたと警部が検査にやってくる。皆見た目通りではない裏の姿があった。ひとり真っすぐなのは・・ 二重の逆転劇があり、なんだか海辺の強い太陽の中、してやったり!というすかっとした最後。 「患者」バルコニーから落ちた夫人。誤って落ちた、いや自殺だ、いや誰かに押された。いまだ言葉もしゃべれないが指だけは動き、ある装置を使って、イエスなら一回、ノーなら2回のボタンを押し犯人捜しをしようと企む警部。「あなたは手すりにもたれたのですね?」「ブー 」「そして気が遠くなった?」「ブー、ブー」 なんだか舞台を想像して吹き出しそうだ。めでたく犯人をみつける。 「ねずみたち」知人のアパートに呼ばれた女。ところが知人はいない。するとまた別な女が、また男もやってくる。 3編とも短いがひねりがきいている。実際に舞台でみたらとてもおもしろいんじゃないかと思う。 1963発表 2004.9.15発行 図書館

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2018/12/26

アガサ・クリスティーの短編戯曲三本を収録。 どれも予想外の結末を迎える、ドキドキの短編集。 『海浜の午後』が超絶カッコいいラストシーン。 詳しくはブログにて。 http://blog.livedoor.jp/byoubyoubyou/archives/52456032.html

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2018/12/25

原書名:Rule of three 海浜の午後 患者 ねずみたち 著者:アガサ・クリスティ(Christie, Agatha, 1890-1976、イングランド、小説家) 訳者:深町眞理子(1931-、東京、翻訳家)、麻田実(1936-、東京) 解説:柳原慧(1957-、東京...

原書名:Rule of three 海浜の午後 患者 ねずみたち 著者:アガサ・クリスティ(Christie, Agatha, 1890-1976、イングランド、小説家) 訳者:深町眞理子(1931-、東京、翻訳家)、麻田実(1936-、東京) 解説:柳原慧(1957-、東京都、小説家)

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2013/05/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『海浜の午後』 海辺のビーチチェアに寝そべる人々。夫アーサーをほったらかして友人のボブと砂の城を創り遊ぶノーリーン。ジョージとクラム夫人の会話。息子を支配するガナー夫人。盗まれた首飾りの話。彼らの周囲を歩き回る謎の美女。首飾り盗難事件を捜査するフォーリー警部。 『患者』 何者かに突き落とされたウィンクフィールド夫人。精神的なショックから会話をすることができなくなった夫人。犯人を突き止めるための実験。瞬きによる会話。夫であるブライアンの浮気相手の正体。 『ねずみとり』 マイケル・トランスに誘われ彼の家にやってきたサンドラ。マイケルは旅行中で留守。家にいたジェニファー。誘い出されたことに気がつくサンドラ。同じく誘い出されたデイビッド。サンドラの元夫の死に不審を持つアレック。部屋から発見されたマイケルの遺体。仕掛けられた罠。

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2013/02/05

一幕ものの戯曲3篇。見覚えのあるキャラに見覚えのある道具立てで、『ラジャのエメラルド』や『スペイン櫃の秘密』その他もろもろの作品を連想せずにはいられない。が、物語の流れは全然違う。これはクリスティーのパラレルワールドだ!またの名は「アイデアの使いまわし」。戯曲だからぎりぎりアリか...

一幕ものの戯曲3篇。見覚えのあるキャラに見覚えのある道具立てで、『ラジャのエメラルド』や『スペイン櫃の秘密』その他もろもろの作品を連想せずにはいられない。が、物語の流れは全然違う。これはクリスティーのパラレルワールドだ!またの名は「アイデアの使いまわし」。戯曲だからぎりぎりアリかな…。

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