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海浜の午後 の商品レビュー

3.8

8件のお客様レビュー

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2023/10/01

 戯曲3編収録。 〇「海浜の午後」  読んでいると少し登場人物がワチャワチャしている感じがするが、おそらく舞台では人物の出入りがはっきりするので、あまり気にならないのだろう。  過保護の青年の恋愛話など全体にユーモラスなものにしようとしているのだろうが、ラストはあまりスッキリしな...

 戯曲3編収録。 〇「海浜の午後」  読んでいると少し登場人物がワチャワチャしている感じがするが、おそらく舞台では人物の出入りがはっきりするので、あまり気にならないのだろう。  過保護の青年の恋愛話など全体にユーモラスなものにしようとしているのだろうが、ラストはあまりスッキリしない。 〇「患者」  転落して動くことも口をきくこともできなくなった患者。事故なのか、自らの意思で落ちたのか、それとも犯罪か。警察は医師の協力により、ある実験によってその真相を明らかにしようとする。 〇「ねずみたち」  何者かによりアパートの一室に誘い出された男女。誰が自分たちをここに呼んだのか、またその目的は何か。動機というか目的にはやや強引なところがあるが、追い詰められていくサスペンスが良くできていると思う。上手い役者が演じれば、観ていて面白いのではなかろうか。

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2020/01/29

「海浜の午後」あるリゾートの砂浜。中年の夫婦。夫婦に若い男の3人連、気の強い母親に従順な青年の息子。そこにビキニ姿の美女が現れ男性は皆見とれ言葉を交わそうとする。 そこに近くのホテルでエメラルドのネックレスが盗まれたと警部が検査にやってくる。皆見た目通りではない裏の姿があった。ひ...

「海浜の午後」あるリゾートの砂浜。中年の夫婦。夫婦に若い男の3人連、気の強い母親に従順な青年の息子。そこにビキニ姿の美女が現れ男性は皆見とれ言葉を交わそうとする。 そこに近くのホテルでエメラルドのネックレスが盗まれたと警部が検査にやってくる。皆見た目通りではない裏の姿があった。ひとり真っすぐなのは・・ 二重の逆転劇があり、なんだか海辺の強い太陽の中、してやったり!というすかっとした最後。 「患者」バルコニーから落ちた夫人。誤って落ちた、いや自殺だ、いや誰かに押された。いまだ言葉もしゃべれないが指だけは動き、ある装置を使って、イエスなら一回、ノーなら2回のボタンを押し犯人捜しをしようと企む警部。「あなたは手すりにもたれたのですね?」「ブー 」「そして気が遠くなった?」「ブー、ブー」 なんだか舞台を想像して吹き出しそうだ。めでたく犯人をみつける。 「ねずみたち」知人のアパートに呼ばれた女。ところが知人はいない。するとまた別な女が、また男もやってくる。 3編とも短いがひねりがきいている。実際に舞台でみたらとてもおもしろいんじゃないかと思う。 1963発表 2004.9.15発行 図書館

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2018/12/26

アガサ・クリスティーの短編戯曲三本を収録。 どれも予想外の結末を迎える、ドキドキの短編集。 『海浜の午後』が超絶カッコいいラストシーン。 詳しくはブログにて。 http://blog.livedoor.jp/byoubyoubyou/archives/52456032.html

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2018/12/25

原書名:Rule of three 海浜の午後 患者 ねずみたち 著者:アガサ・クリスティ(Christie, Agatha, 1890-1976、イングランド、小説家) 訳者:深町眞理子(1931-、東京、翻訳家)、麻田実(1936-、東京) 解説:柳原慧(1957-、東京...

原書名:Rule of three 海浜の午後 患者 ねずみたち 著者:アガサ・クリスティ(Christie, Agatha, 1890-1976、イングランド、小説家) 訳者:深町眞理子(1931-、東京、翻訳家)、麻田実(1936-、東京) 解説:柳原慧(1957-、東京都、小説家)

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2013/05/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『海浜の午後』 海辺のビーチチェアに寝そべる人々。夫アーサーをほったらかして友人のボブと砂の城を創り遊ぶノーリーン。ジョージとクラム夫人の会話。息子を支配するガナー夫人。盗まれた首飾りの話。彼らの周囲を歩き回る謎の美女。首飾り盗難事件を捜査するフォーリー警部。 『患者』 何者かに突き落とされたウィンクフィールド夫人。精神的なショックから会話をすることができなくなった夫人。犯人を突き止めるための実験。瞬きによる会話。夫であるブライアンの浮気相手の正体。 『ねずみとり』 マイケル・トランスに誘われ彼の家にやってきたサンドラ。マイケルは旅行中で留守。家にいたジェニファー。誘い出されたことに気がつくサンドラ。同じく誘い出されたデイビッド。サンドラの元夫の死に不審を持つアレック。部屋から発見されたマイケルの遺体。仕掛けられた罠。

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2013/02/05

一幕ものの戯曲3篇。見覚えのあるキャラに見覚えのある道具立てで、『ラジャのエメラルド』や『スペイン櫃の秘密』その他もろもろの作品を連想せずにはいられない。が、物語の流れは全然違う。これはクリスティーのパラレルワールドだ!またの名は「アイデアの使いまわし」。戯曲だからぎりぎりアリか...

一幕ものの戯曲3篇。見覚えのあるキャラに見覚えのある道具立てで、『ラジャのエメラルド』や『スペイン櫃の秘密』その他もろもろの作品を連想せずにはいられない。が、物語の流れは全然違う。これはクリスティーのパラレルワールドだ!またの名は「アイデアの使いまわし」。戯曲だからぎりぎりアリかな…。

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2012/07/09

クリスティが戯曲を書いていたとは知らなかった。 収録作はどれもミステリ風味なものばかり。 表題作の「海浜の午後」は冗長だったが、他二篇はなかなか面白かった。特に「患者」がいい。 ただ、実際に舞台で見るとなると印象が違うからな。どれも舞台で演じたらどうなるのか見てみたいと思った。

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2011/08/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

海浜の午後、患者、ねずみたち の三部作になっている。 海浜の午後では、以外なところで警察官が登場する。 煮え切らない若者は、最後には自立する方向で歩み始める。 時期がくれば、すべてが動き出すことを表現したかったのだろうか。 上演するとすれば、時間の流れを感じさせる音楽を背景に選びたい。 ps. 2010年の名古屋グランパスの開幕戦を観戦しに、豊田スタジアムに行ったときに、本を落としてしまいました。行き帰りの電車で読む為です。どなたか拾われた方はお送りいただけると幸いです。スタジアムには遺失物の連絡はしました。

Posted byブクログ