いま本当の危機が始まった の商品レビュー
小泉内閣時代に書かれた時評を集めた本です。中国問題、憲法改正問題、教育問題などについて、新米保守の立場から日本の進むべき道が説かれています。 結果論になりますが、著者や村田晃司ら親米派の同時多発テロ以降のアメリカの対応についての見通しは、やや甘いところがあったのではないかという...
小泉内閣時代に書かれた時評を集めた本です。中国問題、憲法改正問題、教育問題などについて、新米保守の立場から日本の進むべき道が説かれています。 結果論になりますが、著者や村田晃司ら親米派の同時多発テロ以降のアメリカの対応についての見通しは、やや甘いところがあったのではないかという批判もあるのではないでしょうか。 それはともかくとしても、本書に収められた文章はあくまで時評的性格が強く、著者の強みである文明史的な視野があまり見えてこないのが残念です。そうした視野が示される箇所でも、「「中国」は大陸に覇を唱えたあと、およそ百年くらいは必ず海への膨張へと傾く」といった、根拠を示すことのない断言が目立ち、読者は置いてけぼりにされてしまいます。やはり著者には、時評ではなく外交史をこそ論じてほしいと、個人的には思います。
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「國家」の枠組が消滅しグローバリズムの時代となる、といふのはまつたくの幻想だ。 同時多發テロにより、時代は新たな「國家」の枠組を必要としてゐる。 テロを防止出來るのは「國家」以外にはあり得ないといふ筆者の考へ方は正しいと思ふ。 2004年5月18日讀了
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