宗教と公共哲学 の商品レビュー
著者はカイパー=ドーイウェールトの路線を踏襲するアムステルダム学派に拠っているキリスト教哲学者。「公共哲学」と言えば、一般的には政治哲学・社会哲学とほぼ同義だが、本書は宗教哲学・科学哲学なども縦横に用いて論を展開している。ただ、著者自らの信仰的立場(キリスト教)が若干不明瞭になっ...
著者はカイパー=ドーイウェールトの路線を踏襲するアムステルダム学派に拠っているキリスト教哲学者。「公共哲学」と言えば、一般的には政治哲学・社会哲学とほぼ同義だが、本書は宗教哲学・科学哲学なども縦横に用いて論を展開している。ただ、著者自らの信仰的立場(キリスト教)が若干不明瞭になっている感がある。キリスト者の立場で本書に学ぶには、公共世界と教会との相互関係(教会論)、キリスト教の此岸的目標の明確化(終末論)、共存と伝道との関係(伝道論)などの、神学的立場の明確化が先行しなければならないだろう。
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