第三帝国のR.シュトラウス の商品レビュー
筆者の著作は面白すぎ。ロマン主義的退廃やナチスの蛮行に狡猾に戦うRシュトラウスの音楽。協力すると見せかけておちょくる。そして自分の希求するコメディを大胆に披露しその才能で息子達をナチスから救い出し戦後も活躍。シュトラウスからドイツをめぐる歴史がこれだけ面白く語られるとは!
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大正時代の作家は明治時代と違って「幻影」を求めていた人たちが多い?谷崎潤一郎、永井荷風、佐藤春夫、芥川龍之介などを詳しく論じています。そして共通点はいずれも隅田川を愛していたことだそうです。明治・大正までは東京は下町が中心で文字通り「水の都」としての情緒があったが、都市化と共に埋められ、汚染され、そして高速道路に空を奪われてしまった東京への挽歌でもあります。未だ読んだことのない春夫「美しい町」「都会の憂鬱」はぜひ読んでみたいと思いました。また、都市の特徴としての「密室」「路地」なども彼らが共通して描いているところだそうであり、現在の都市における犯罪の激増を予言しているようです。現実的であった明治時代と比較し、幻影を求めた大正時代は弱弱しいながらロマン、そして現在に通じる真実を感じる時代です。
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