ポンドの苦闘 の商品レビュー
20世紀前半、第一次世界大戦から第二次大戦後のブレトン=ウッズ体制構築までのイギリス通貨制度の変遷を辿る。本書の意図は、兌換が紙幣に対する信用の源泉であるとか、国際収支の不均衡が自動的に調整されるといった金本位制の「神話」を否定することにある。 筆者の主張が膨大な一次資料を基にし...
20世紀前半、第一次世界大戦から第二次大戦後のブレトン=ウッズ体制構築までのイギリス通貨制度の変遷を辿る。本書の意図は、兌換が紙幣に対する信用の源泉であるとか、国際収支の不均衡が自動的に調整されるといった金本位制の「神話」を否定することにある。 筆者の主張が膨大な一次資料を基にしており、説得的に議論を展開していた。ただ、金本位制それ自体に通貨制度の根幹としての意味が薄いとすれば、そもそも何故そうした枠組が構築されるに至ったのかが不思議だった。
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20110827 p1 経済学の世界では、19世紀前半のイギリスで繰り広げられた地金論争や通過論争において議論された問題が、21世紀に入っても依然として解決されていない。
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