みつばちマーヤの冒険 の商品レビュー
アニメでなんとなく知ってる気になっていた『みちばちマーヤ』だが、『みちばちと少年』を読んで原作を読みたくなった。 みつばち王国の一員としてみんなの幸福を考えることが、あなたが幸福になれる道理なのだとマーヤは教わっていた。けれど初飛行で外の世界の美しさを知り、やむにやまれずひとり...
アニメでなんとなく知ってる気になっていた『みちばちマーヤ』だが、『みちばちと少年』を読んで原作を読みたくなった。 みつばち王国の一員としてみんなの幸福を考えることが、あなたが幸福になれる道理なのだとマーヤは教わっていた。けれど初飛行で外の世界の美しさを知り、やむにやまれずひとり旅立ってしまう。 世界の美しさと驚きに目を見張り、生きることはなんと素晴らしいことだろうとマーヤの喜びが生き生きと伝わってくる。 「新しい美しい今日の日が、何をもってきてくれるかを知るために、生きるよろこびに溢れた声をあげて日光の中へおどり出しました。」 「自分の命がいとおしくって、胸がどきどきした」 こんな気持ちで朝を迎える、それに勝る喜びがあるだろうか。 こんな心を取り戻したい。 ワルデマル・ボンゼルスは、17歳高校生のとき、医者の家と学校から逃げ出して世界中の放浪の旅を続けたそうだ。 マーヤの世界を知る喜びは、作者自身のものだったのだろう。 登場する生きものは擬人化されているが、昆虫の生体やみつばちの目線の世界が緻密に描かれていて興味深い。自然の美しさだけではなく厳しさも写実されている。 高橋健二さんの翻訳は、古風だが格調高く美しい。
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