美の呪力 の商品レビュー
何となく網野善彦さんの「無縁・苦界・楽」に似てるなと思った。 人が営んでいく上での本能(?)的な所を突き詰めていくと、血や炎、石積みにもある種のアジール的な所を見れてしまうのかもしれない。 これまで芸術に全く興味が無く、岡本太郎さん自体、万博で太陽の塔を建てたり、「芸術は爆発だ...
何となく網野善彦さんの「無縁・苦界・楽」に似てるなと思った。 人が営んでいく上での本能(?)的な所を突き詰めていくと、血や炎、石積みにもある種のアジール的な所を見れてしまうのかもしれない。 これまで芸術に全く興味が無く、岡本太郎さん自体、万博で太陽の塔を建てたり、「芸術は爆発だ」とか言ってる何か変な人と言うイメージしか持っていなかった。 けど、もし、あの世で網野善彦さんと岡本太郎さんが対談したら、結構、面白いんじゃないかなぁと思いましたよ。
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飾られるために創るのでなく、使うために作る。だから使われるときこそ最も輝く。単純なものほど、原点。語学や美術史にも深い岡本太郎のすばらしさを再認識。イヌクシュクの石積み。
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石積みの回、失われていった文化にみる本当の芸術、終盤のゴッホ、あやとり宇宙論が特に面白かった 今日までにのこったものでなく失われたものの側から真の芸術を強烈に照らし出そうと試みた一冊
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一回読んだだけでは、この本の良さはあまりわかりませんでした。 あまりにも岡本太郎が世界中の伝統や文化、芸術の知見があるので読んでいてよくわからなくなりました。 全体的に、まず本のボリュームが279ページあるので読み進めづらいのと、主張が一回ですっと入らないから岡本作品を何冊か読...
一回読んだだけでは、この本の良さはあまりわかりませんでした。 あまりにも岡本太郎が世界中の伝統や文化、芸術の知見があるので読んでいてよくわからなくなりました。 全体的に、まず本のボリュームが279ページあるので読み進めづらいのと、主張が一回ですっと入らないから岡本作品を何冊か読んで慣れてないと辛いかなと思いました。 ただ章が「血・怒り・仮面・火」などしっかり別れており、章の初めに考えが書いてあるのでそこはポイントとして抑えておいてよかったです。 もう一度読みたい本です。
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岡本太郎の文章を初めて読みました。 こんなきちんとした文章を書くんだ、と正直驚きです。 もちろん、文章にも「太郎節」というものが炸裂していて、その個性は唯一無二。 ただ、そこにある、「自分自身をまず他者として置き」、問題をとらえ、調査し、思索し、文章を書く――という姿勢。 それが...
岡本太郎の文章を初めて読みました。 こんなきちんとした文章を書くんだ、と正直驚きです。 もちろん、文章にも「太郎節」というものが炸裂していて、その個性は唯一無二。 ただ、そこにある、「自分自身をまず他者として置き」、問題をとらえ、調査し、思索し、文章を書く――という姿勢。 それがメディアに露出していた本人のイメージとは違っていてなんだか新鮮に感じられました。 古代の石、血、仮面、怒り、炎と水、夜。 岡本太郎が心惹かれるもの。 その何が彼の心を惹きつけるのか、を論じています。 比較文化論でもあり、美術史論でもあり、社会論でもあります。 その独特の感性と、本質に迫ろうとする迫力を感じると同時に、 客観的な視点から分析しようとする姿勢も感じます。 「まことに大地と天空は永遠のものであるのに、火と水の激しくはかない性(さが)は人間のいのちを暗示し、 よろこび、悲しみの波動をおおい、くぐり抜けていく。」 などという、美しい文章もさらりと現れたりします。 ピカソやゴヤ、ゴッホなどについて語っているところが個人的にはとても面白かった。 特にゴッホ論は秀逸。 様々なテーマを、深く、広く語っている岡本太郎。 「芸術は爆発だ!」の言葉の意味を自ら解説している書、でもあります。
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太郎さんの著書は「今日の芸術」が有名だが、中身だったら絶対こっち!! 日本全国の土着の日から普遍の美へとつながる洞察は岡本太郎のぎらぎらした感性と知力の結晶!!
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最後の方流してしまった。だんだんあきてきて、、、 既存の考察を無視して、自分の視点でちゃんと見ていいんだー! と、はっきり示してくれたお方です。また今度読み直すね。
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大学入学当初手に取り、今に至るまで ずっと手放せないでいる。 この本の存在が自分の中で大きいことに気づき、驚いた。 岡本太郎、興味深い人物です。
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美術は 呪術だ! 仮面の話と原始美術については資料として。その他は太郎ワールド堪能のために読んでる本。
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この本を買った一番の理由は、表紙の色が激しい赤い色だったから。岡本太郎の「赤」は、人間の、ほとばしる鮮血の色をしている。太郎は言う。造形の行動と思索は、全く違うことなのだ、と。創造と思索の狭間に身を置いて、その両極のバランスが崩れると爆発したい欲求に駆られるのだと、あとがきで述べ...
この本を買った一番の理由は、表紙の色が激しい赤い色だったから。岡本太郎の「赤」は、人間の、ほとばしる鮮血の色をしている。太郎は言う。造形の行動と思索は、全く違うことなのだ、と。創造と思索の狭間に身を置いて、その両極のバランスが崩れると爆発したい欲求に駆られるのだと、あとがきで述べられている。中でも、グリューネバルトの「磔のキリスト像」、イーゼンハイムの祭壇画に関する著述は秀逸だ。「人間自体が鮮血なのだ。」と語る岡本太郎の、人間存在の根源に迫る芸術論である。「爆発」というキーワードを読み解くための、絶好の書になるだろう。
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