白土三平論 の商品レビュー
白土三平さんの訃報に接して、この本のことを思い出しました。マンガ論・映画論の四方田犬彦の丁寧な仕事です。今や、昭和のマンガを考える上では基本文献だと思います。 ブログにも感想書きました。 https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/di...
白土三平さんの訃報に接して、この本のことを思い出しました。マンガ論・映画論の四方田犬彦の丁寧な仕事です。今や、昭和のマンガを考える上では基本文献だと思います。 ブログにも感想書きました。 https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202111100000/
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『柳生武芸帳』といえば『カムイ外伝』 『先生とわたし』を読んだことでもあり再読 題名どおり白土三平作品と作者の評伝的評論 各作品の読み取り紹介文がかなりの分量 無駄多い気するがこれがマンガ評論の仕方かもしれない 中心的作品『カムイ伝』が「未完であることが本質であるような巨大な規模...
『柳生武芸帳』といえば『カムイ外伝』 『先生とわたし』を読んだことでもあり再読 題名どおり白土三平作品と作者の評伝的評論 各作品の読み取り紹介文がかなりの分量 無駄多い気するがこれがマンガ評論の仕方かもしれない 中心的作品『カムイ伝』が「未完であることが本質であるような巨大な規模を持った作品」で終わるのかどうなのか 読者として待つ姿勢で この評伝的評論も未完だが マンガに対して質を伴う評論自体がない目下にあって価値高い 手塚作品に対する劇画との位置づけは難しいだろうが 忍法武芸帳ものなどの大衆時代小説をなぜ白土せんせいが選んだかについて 論及が欲しかった感じ
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※このレビューにはネタバレを含みます
60年代の大学闘争の闘士たちのバイブルだった白土三平は、リアリスティックな描画が美しいとは思えず、あまり好きではありませんでした。カムイ伝もそういうわけでまともに読んだことがありません。白土が70年代に入って忘れ去られて行った背景には大学闘争・新左翼の没落があると言われておりますが、改めて白土の反権力的なストーリーを知り、今更ながら納得したという感じです。白土の父・岡本唐貴が日本共産党系の画家であり、少年時代から貧窮生活を極めたこと。戦争中に長野県真田村に疎開し、江戸時代の雰囲気が残った農村集落、そして差別社会をしっかり見たこと。そして30代で房総半島の漁村に移り住んでそこでの生活を見続けたこと。確かに白土の作品に影響を与えたことは間違いないですね。カムイ伝に至るまでの「忍者武芸帖」「甲賀忍法帖」「真田剣流」「シートン動物記」「サスケ」などの世界、そしてカムイ伝以降のエロ・グロとも見誤るべき「神話伝説」「女星」などの作品群。いずれも白土の思想を表現していたことに、漫画の世界ながらその深さに驚きました。また初期の作品はディズニー、手塚治虫の影響を受けて美しい絵を描いていたことも知り、意外でした。しかし、彼の思想を描いて行く上ではその画風はあまり相応しくないと確かに思います。
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