紅の肖像 の商品レビュー

遊馬佑(著者)

2015/04/03

この土方さんってあまり「鬼副長」っぽくなかったかな。総司と抱き合って泣いたり、お琴さんの事で心を痛めたりとか、隊を離れる長倉さん、原田さんと一緒に飲んだりとか全体的に「仏の歳さん」がただよってる気がしました。個人的には近藤さん亡き後、戦を重ねて北の地まで行く土方さんや新選組の話が好きだから、そのあたりが数ページだったのでさみしかったです。この土方さん好きなので、そのあたりを詳しく書いた続編が出ないかなぁ。

2013/05/23

土方さん幼少期から函館に行くまで。結構可愛げのあるタイプの土方さんで、総司を可愛がっていて、何かときゃっきゃたわむれています。そうかと思えば屈辱を与えられる場面を妄想してはもだえるドM趣味を持ち合わせています。土方さんに一目ぼれ状態の島田さんは犬っコロのようにじゃれあう副長に衝撃を受けますが、危機を救ったり何かといいとこ取り。函館に行く前（もっというと総司の死まで）で終わっているのが残念。日野時代に結構ページが割かれていました。

2010/05/05

土方さんの思いや気持ちを中心に話が進みます。そこがとても良いです。特に山南さん切腹では切腹そのものの場面は出て来ませんが、その後に激しく自分を責め続ける土方さんの思いが出て来てさらに切ないです。土方さんの意外な一面を目撃してしまう島田さんや、洋装の服を選ぶ場面などもあって良かったです。またカバーが赤と黒のデザインで格好良いです。

2009/10/04

好き嫌いが分かれる小説みたいですが私は大好きです。強いだけの土方さんじゃなくて、彼の内面（弱さとか苦悩とか）が丁寧に描写されているのですごく人間味がありました。土方歳三という男をここまで身近に感じたのは初めてかもしれません。